マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国、マレーシア。実はこの国、知る人ぞ知る美食の国なのです。そこでこの連載では、マレーシアの“おいしいごはん”のとりこになった人たちが集う「マレーシアごはんの会」より、おいしいマレーシア情報をお届け。多様な文化が融け合い、食べた人みんなを笑顔にする、とっておきのマレーシアごはんに出会えますよ。

 マレーシアの定番の屋台料理「サテー」。スパイスで漬けこんだ肉を串に刺して焼いたもので、ピーナッツで作った甘辛のソースをかけるのが特徴。前回はサテーの魅力についてたっぷりお伝えしました。現地でぜひ食べて欲しいのですが、「じゃ、今週末はマレーシアね」なんて簡単に行ける場所じゃありません。

 そこで今回は、日本でサテーが味わえる店をご紹介します。サテーはマレーシア料理であるとともに、東南アジアの広い地域で食べられている人気メニュー。マレーシアだけでなく、その周辺の国のレストランも含めて、サテーがおいしい名店10軒がこちら! (順不同、値段は特記がない限り税抜)

■マレーアジアンクイジーン/マレーシア料理店【東京・渋谷】

サテー840円(鶏肉4本)。グリルで香ばしく焼き上げたサテーは、ターメリックの芳醇な香りに包まれている。

 渋谷の国道246号通り沿い。ビルの2階にあるおしゃれな店で、一見すると洋食ダイニングのようですが、あちこちから聞こえてくるのはマレーシアの言葉。スタッフはほぼ全員がマレーシア人で、常連客も半数以上をマレーシア人が占めるという本格派。「サテー」(840円/4本)は、スパイスで作ったタレに一晩漬けこみ、注文後に1本ずつ丁寧に焼き上げる看板メニュー。気軽に何本でも食べられる味で、現地の屋台を思い出させてくれます。

URL http://www.malayasiancuisine.com/

■マレーチャン/マレーシア料理店【東京・池袋】

サティ850円(鶏肉4本)。やわらかな肉質とコクのあるピーナッツソースが絶妙にマッチ。1串220円で追加OK。

 創業20年以上の老舗のマレーシア料理店。マレーシアに魅せられた日本人女性(通称「ママ」)が、長年にわたって現地の味を再現し、今やメニューは140種以上。なかでも「サティ」(850円/4本)はママの自信作。粗く砕いたピーナッツがごろごろ入った濃厚ソースが、ジューシーな鶏肉のサテーにたっぷりとかけられています。単品もいいけれど、サテー、オタオタ、ムルタバ入りのマレーシア前菜盛り合わせ(900円、2人前から注文可)もお得。

URL http://www.malaychan-satu.jp/

■マレーカンポン/マレーシア料理店【東京・八丁堀】

サテー盛り合わせ780円(鶏肉2本、牛肉2本)。焼き上げるのに時間がかかるので、最初に注文したほうがベター。

 店名の「カンポン」とは、現地の言葉で“故郷”という意味。その店名にこめられているように、マレーシア人のシェフが故郷の味を忠実に再現している店です。「サテー」は、鶏肉(170円/1本)と牛肉(220円/1本)の2種類を提供。弾力のある牛肉のサテーは、噛みしめるごとに、スパイスの香りと牛肉の旨みが口中に広がります。アットホームな雰囲気の店内でサテーにかぶりつけば、屋外の屋台で一杯飲んでいる気分になれます。

URL http://www.malaykampung.com/

2015.03.19(木)
文=古川 音
写真=古川 音、三浦菜穂子