追いかけるか待つか、オーロラに出会うまで

オーロラを待つベースキャンプにあるテントの内部。ここから出たり入ったり。

 オーロラは、「オーロラベルト」と呼ばれる北半球の北緯65度から70度のドーナツ状エリアで主に出現する。ただ、雲が出たり周りが明るかったりすると見えないため、オーロラを見るのに、ベースキャンプのテントで出現を待つか、バスで出現しやすい場所を狙って移動するオーロラチェイスを行うか、どちらかを選ばなければならない。

 まず1日目は、ベースキャンプでオーロラを待つ。中は火が焚かれて暖かいが、あっという間にオーロラが出て消えてしまう場合もあるので、時々、外に出てじっと様子を窺う。とにかく手先足先の防寒をしっかりしないとしびれそう。「あっあー」という声がする度に飛び出す。ふんわりと白い靄のようなものが空に見えて、シャッターを押すと、ほのかな緑の光が。しかし、オーロラというにはほど遠く、1日目は終わる。

サイエンスセンターからの夕景。トロムソイヤ島と本土側をトロムソ橋が結ぶ。

 2日目はオーロラチェイス。夕刻に立ち寄ったトロムソ大学の敷地内にある世界最北のサイエンスセンターから空を淡いピンク色に染める夕焼けが見えて、今夜のオーロラに期待が増す。

 6時過ぎにバスが出発、走ること約45分で1カ所目のホークオイヤに到着。街の光が島の対岸にちらつくが、ほどなく夜空に白い帯が広がり始め、だんだん濃くなっていく。これはまさにオーロラ! 肉眼では白く見えるが、カメラには明らかに緑の光が捉えられていて、参加メンバー一同大興奮。

 さらに見えやすい場所を求めて移動すること2回。3カ所目では、肉眼でもカーテン状のヒダが見えたほど。ほのかに緑、そして先の方は赤を帯びて見える。いつの間にか出て来て、空一面に広がったかと思うとまた消えていく。目が離せない神秘的な光だ。

オーロラの出始め。肉眼では白い帯。
どんどん色が濃くなってきて、揺らいでいるのが分かる。
まさに光の帯、オーロラ。

◆オーロラベースキャンプ催行会社
トロムソ・サファリ

電話番号 +47-95-303888
URL http://tromsosafari.no/

◆オーロラチェイス催行会社
アークティック・ガイド・サービス

電話番号 +47-92-207901
URL http://www.arcticguideservice.com/

2015.03.17(火)
文・撮影=小野アムスデン道子