Magnificent View #530
セリミエ・モスク(トルコ)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 2011年、世界遺産に登録されたセリミエ・モスク。トルコ北部の古都エディルネにあるこの建物は、壮大なスケールと洗練された美しさから、街の象徴ともなっている。

 1568年から1574年にかけて建てられたこのモスクは、四角い部屋の壁に8本の柱を設け、その柱で形成する八角形で中央の大ドームを支える構造になっている。周囲には高さ70メートルのミナレット(塔)4本がそびえ立ち、その合間から美しい大ドームを眺めることができる。

 その壮麗にして精緻な造りは、16世紀の天才建築家、ミマール・シナンの設計によるもの。100歳まで生き、生涯で400以上もの作品を遺したシナンは、80代後半で、経験と技術を尽くしたこのモスクを設計。自ら、生涯の最高傑作であると語っている。

Column

今日の絶景

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2015.03.14(土)
文=芹澤和美