形状記憶のベースで頰を持ち上げてそのままキープする新剤型

 そんな中、まったく新しい発想とテクニックで小顔に仕上げるファンデーションが現れた。最近、ユニークなファンデづくりで気を吐いているアルビオンが放つ今年の目玉。何となくではなく明快に小顔をつくるというふうに、はっきりその目的を定めたタイトフィルムファンデーションである。

 まさに、肌を引きしめるフィルム膜で顔を包むベースは、今までのリフトアップ効果とは次元が違うもの。一度試してみればわかるだろう。仕上げたとたん、本当に顔がキュッと見える独特な仕上がりなのである。

 言うならば、形状記憶タイプのベースで、肌の上に均一な膜をつくりながらネット構造を形成、その成分の一部を揮発させることでネットを引きしめて、面そのものをタイトに見せるというすご技なのだ。しかもツヤのあるピンとした面ができるから、視覚効果でも顔が引きしまって見える。

 だから塗り方に約束があり、上へ上へと肌を持ち上げるように手のひらと指部分全体を使ってリフト塗りをしてほしい。その仕上がりに改めて気づくはず。肌がピンとしていると、それだけで顔が小さく見えること。欠点がなく、自然なツヤがあるべきところにあると、明らかに小さく見えること。特に斜めから見た肌の均一感が小顔印象の決め手になること。そして顔が引きしまって見えると首筋までが長くスッキリ見えること……。

 ちなみに、小顔イメージを持つ人は誰? と聞くと、安室奈美恵に小泉今日子、宮﨑あおいといった人の名前がまず挙がるが、この人たちは額が広め、顎が三角で首長めといった3点セットが共通している。

 頰は斜め上に上向きに塗り、額はつるっとツヤ塗り、これだけで小顔印象が生まれることを覚えていたい。このファンデーションたった一品で!

齋藤薫 Kaoru Saito
女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌において多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『人を幸せにする美人のつくり方』(講談社)、『大人になるほど愛される女は、こう生きる』(講談社)、『Theコンプレックス』(中央公論新社)、『なぜ、A型がいちばん美人なのか?』(マガジンハウス)など、著書多数。 

Column

齋藤 薫 “風の時代”の美容学

美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍する、美容ジャーナリスト・齋藤薫が「今月注目する“アイテム”と“ブランド”」。

2015.02.24(火)
文=齋藤 薫
撮影=吉澤康夫

CREA 2015年3月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

東京ひとりガイド

CREA 2015年3月号

世界でいちばん面白い街
東京ひとりガイド

定価780円