京都を“味わう”
「香り高い湯や古都の美味で至福の時間を満喫」

墨をすって筆を取るのは何年かぶり? でも、宿からの手紙などちょっとしたためてみては。

 「星のや 京都」には、京都らしいお楽しみがいろいろとちりばめられている。客室に置かれたモダンなデザインの文箱を開けると、中には墨、筆と書のセットやおはじき、花かるたがかわいく収められている。

ゆったりとお風呂を楽しむのに最適な湯温は40度。ちゃんと水温計も置かれている。

 また、ヒバの浴槽が入る浴室には、ゆず、日本酒風呂用のお酒、そしてショウガが置かれていて、好きな香りにして楽しめるようになっている。浴槽の中に椅子が置かれて、ゆったりとお湯の時間を堪能できる。

体の芯まで温まる白味噌仕立てのぐじ鍋。その他に焼き魚や森嘉の豆乳を使った手作り豆腐や汲み上げ湯葉なども並ぶ。

 季節限定の特別朝食として「ぐじの白味噌鍋」がある(2015年は3月15日まで)。ぐじは甘鯛のことで、日本料理に使う高級食材として知られている。それを赤水菜、水菜、白菜、九条ネギやカキノキダケなどたっぷりの野菜と半兵衛麩の生麩、お揚げなどと共に、京都伝統の白味噌で仕立てた鍋だ。寒い京都の冬だからこそ、ほっこりと温まる鍋が体に沁み入る(7,200円/税別・10%サービス料別)。

器に湯を移し最適な湯温で丁寧に入れた玉露に、自分で香ばしく焼いた白玉を入れた「鍵善良房」のお汁粉を合わせて。

 京都ならではの季節の遊びを提案してくれる「星のや 京都」。これも3月15日までだがおすすめなのが、京都ならではのお菓子を一度に楽しめる「京スイーツサロン」だ。京都の4つのお店から選りすぐりの5種類のお菓子を、玉露、京番茶、コーヒーと飲み物とマリアージュさせて出してくれる。

「亀屋良長」の創造性あふれる洋風和菓子と京都のショコラ専門店「ドゥーブルセット」の逸品にはコーヒーがよく合う。

 くずきりで有名な「鍵善良房」のあずきが上品でまろやかなお汁粉には、40度という最適な温度で出される玉露。伝統の和菓子に新しい視点も取り入れる「亀屋良長」の洋菓子風の和菓子と「ドゥーブルセット」の濃厚で深みのあるチョコレートにはコーヒーを合わせる。

甘い伝統の和菓子とお干菓子には、スモーキーな香りのする京番茶を合わせて。

 京菓子の老舗「俵屋吉富」のお干菓子と京番茶を挟んで、〆には「亀屋良長」の伝統和菓子“冬の山”と京番茶。ぴったりの飲み物と共に、京都の菓子巡りを一気に楽しめてしまう(3,800円/税別・10%サービス料別)。

2015.03.01(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵