ホテルに遺った秘密のトンネルが伝える悲恋の物語

ロビーは真っ白な大理石とゴールドをあしらったシャンデリア。

 英国総督サー・トーマス・メイトランドとスリランカ女性ラヴィニアの昔日の恋。そのラブストーリーが、甘い残り香のように漂っているからかもしれない。ホテルには、総督が人目を忍び、彼女に会いに行くために造らせた、秘密のトンネルがいまでも遺っている。ふたりの恋は、総督が帰国して悲恋に終わるのだが、ラヴィニアは終生独身を通したらしい……。と、そんな彼女の一途を讃えてか、車寄せには、彼女の像が噴水に囲まれ立てられている。

左:こちら、大統領専用のエントランス。格調高く赤い絨毯に、寺院の入り口などに見られるムーンストーンもある。
右:クラシックなバーは、ロビー奥のラウンジにある。

 このロマンス薫るホテルは一方、スリランカ一のシェフが居ることでも有名。特にランチは盛況で、恋よりも食欲な人々で賑わう。

メインダイニングの「ザ・ガバナーズ」。大統領のケータリングもここの厨房が一手に引き受ける。
左:ビュッフェはスウィーツも充実していて、いずれもきれいで美味しそう。
右:人気のビュッフェに行列するサリー姿の女性たち。まずは、カレーからという順番のようで。

Mount Lavinia Hotel(マウント・ラヴィニアホテル)
所在地 100 Hotel Road, Dehiwala-Mount Lavinia
電話番号 +94-11-271-1711
客室数 210室
料金 ダイレクト・オーシャンビュー 163USドル~ コロニアルスイート 229USドル~(ともに朝食付き)
URL http://www.mountlaviniahotel.com/

撮影=小野祐次
構成・文=大沢さつき
コーディネート=橋迫恵(セレンディピティ倶楽部)