随所に仕掛けられたジェフリー・バワの想い

左:湖と一体化するインフィニティプールのはずだが、この夏の水不足で周辺はサバンナ状態。
右:ホテルの中のバーなのだけれど、戸外のイメージ。実際、風のよく通る場所なのでテラス感覚だ。

 まず、文化三角地帯という古代スリランカを伝えるロケーション。そこに立つホテルとして、“古代”を感じさせる仕掛けが随所に見られる。

 「イスルムニヤ精舎」のように、自然の丘と一体化した造り。見晴らす湖もやはり、古代の治水事業によって生まれた貯水湖だ。

自然“に”溶け込むホテルは、自然“が”溶け込むホテルでもあって、こんな感じで通路に岩がニョッキリしていたりもするわけです。

 岩のせり出たエントランスは、シギリヤロックへのオマージュとされる。レセプションの長いカウンターは、内戦時のテロで爆破された電話局の柱を流用したもので、国への憂いを彼なりに表現したものだろう。

左:こんなキリッとした眼差しの木像や大きなコブラの置物とか……。ユニークな存在感を発揮するものがあちらこちらに。
右:バワのデザインした美しいラインの椅子は、木製と鉄製とがある。

 壮大でいて細部にわたる建築家の意図を知ると、推理小説を味わうように、ホテルが楽しめる。ここに泊まるなら、バワのことを知って訪れたい。

バワがとりわけ好んだ場所で、キャンディアンダンスを鑑賞しながら、特別なディナーが楽しめる(2人で700USドル)。通常は洞窟で行うが、蜂の活動期には湖の展望場所で。洞窟に大きな蜂の巣があるためで、巣を除去するのではなく人間が移動する。自然、生命を損なわないという、この国ならではのスタンスが好ましい。

Heritance Kandalama(ヘリタンス・カンダラマ)
所在地 11 Dambulla
電話番号 +94-66-555-5000
客室数 152室
料金 スーペリアルーム 300USドル~ スイート 453USドル~(ともに朝食付き)
URL http://www.heritancehotels.com/

撮影=小野祐次
構成・文=大沢さつき
コーディネート=橋迫恵(セレンディピティ倶楽部)