東南アジアのイメージを覆すドライな気候

建築デザインは他のアマンリゾーツでも手腕を振るう、ジャン・ミッシェル・ギャシィが担当。

 ヌイチュア国立公園のあるニントゥアン省はベトナムで最も暑く乾燥したエリアで、南~中央ベトナムにおいて降水量が少ない地。11月ごろから7、8月まで、8カ月間も乾季が続き、年間700ミリしか雨が降りません。東南アジアというと、ムッとした空気の蒸し暑いイメージがありますが、ここは唇がカサカサになるくらい空気がドライ。

 その気候のせいなのか、ビーチでよく見かけるパンダナスの木も、どこかアジアっぽさに欠け、メドゥーサの髪のように枝を伸ばしていたりします。木の近くで見かけるトカゲもカラフルで、気のせいかカメレオンぽい。

池に浮かんだ、シンメトリーなデザインのヨガ・パビリオン。緑の中にパビリオンの甍の群れが。

 広大な敷地を誇るアマノイは、起伏に富んだ地形の中に、高台のメイン棟やインフィニティエッジのクリフプール、広大な池に面したスパ、海辺のビーチクラブなどが、それぞれ距離をおいてレイアウトされています。

クリフプールでくつろいでいると、タオルやおしぼりなどを運んでくれます。

 高台のメイン棟にはレストランやバー、ブティックが入り、テラスからの眺望が抜群。背後は緑豊かな山並みに守られ、海岸線に沿って岩肌を露出した荒々しい岬が連続しています。眼下に望む深い藍色の海では、白い引き波をたてて漁船がゆっくりと渡っていきます。

2015.02.07(土)
文・撮影=古関千恵子