今回登場するのは、時代劇初の3D映画として注目を浴びる『一命』で、事件に巻き込まれる侍・沢潟彦九郎を演じた青木崇高(あおき むねたか)。「ちりとてちん」や「龍馬伝」など好演したドラマで、気になっていた方も多かったのでは?

演じることの楽しみを感じた「ちりとてちん」

(C)秋倉康介

――まずは、デビューのきっかけを教えてください。

 10年ぐらい前に、今の事務所のオーディションを受けました。この仕事に就きたい、とか、これで食べていくというような夢は特に描いておらず、なんとなく受けたんです。合格後、モデルとして少し仕事をしながら、役者のオーディションを受けつつ、現在に至っています。

――その後、さまざまな役を演じるうちに、役者を意識した作品はありますか?

 どの作品も、ひとつずつやっていくだけなので、この作品から大きく変わった、という感じはないです。今振り返ったときに、きれいに整理して言えるような感覚でやってなかったのかもしれないです。ただ、その瞬間で、一生懸命仕事をやっていたら、今この状態になっている、という感じです。

――NHK朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」では、ヒロインの兄弟子で夫となる落語家・徒然亭草々を演じられましたが、この役についての思い出は?

 オーディションだったんですが、師匠に落語をイチからというか、ゼロから教わったほかにも、多くのことを学ばせていただきました。そして、撮影期間の長い作品だったので、素晴らしいスタッフさんとの出会いはもちろん、役の変化であったり、人の成長であったり、演じることの楽しみをスゴく感じました。

――大河ドラマ「龍馬伝」では後藤象二郎役を演じられるため、体重を増量されましたが、役作りというものに対しては、どのように考えられているのでしょうか?

 僕は役者の努力なんていうものは、あまり他人に話す必要がないと思うんです。役者は、画面やスクリーンを通じて、視聴者や観客とコミュニケーションするべき、と思っているから。努力を知って作品を観られるのは、純粋な作品の観られ方でないと思っています。ただ、その役のその人が、そこに存在すればいい。役者がどれだけ用意・準備した、というのを聞けば、なるほどとは思うかもしれませんが、個人的にはお客さんにとって、あまり必要のない情報だと思います。

2011.10.14(金)
text:Hibiki Kurei