食の楽しみ その4
「別荘族も御用達、グルメ集結のハルニレテラスへ」

「丸山珈琲」の店内は芳しいコーヒーの香りで満ちている。朝早くから多くの人が訪れる。

 四季折々の表情を見せる湯川の美しいせせらぎに沿って自生しているハルニレ(春楡)の木立を生かし、ウッドデッキで繋がる9つの建物に15のショップが入るハルニレテラス。軽井沢での日常の品々や別荘族も御用達というグルメのお店や洒落た雑貨のお店が並ぶ。

バリスタが淹れてくれるカプチーノ。フリーポアという手法で、チップなどを使わずに注ぐだけこんな模様ができてしまう。

 まず、軽井沢の朝一番はここのコーヒーでというファンが多い「丸山珈琲」。オーナーが海外の農園を回って買い付けるこだわりの豆を使い、フレンチプレスという抽出器具で淹れてくれるコーヒーは香り高く、味わい深い。バリスタによるエスプレッソやクリーミーなカプチーノもさすがのおいしさ。100グラムと少量からコーヒー豆を買うこともできる。

時間をかけて発酵されたパンの味わいと歯触りに、ファンが多い「沢村」。
人気のチョコと大納言のスティック。S字は軽井沢だけ。もちもちのガーリックバターのパンも香り高い。

 軽井沢のパンといえばここ、ベーカリー&レストラン「沢村」では、天然酵母を使った焼きたてのパンが店頭に並ぶ。丸いカンパーニュやバゲットにクロワッサンなど定番のパンはどれも風味豊かでおいしい。デニッシュなど種類も多くて、どれを買うか迷う。

「セルクル」には、フランス・イタリアはもちろん、ニューワールドや国産のワインも。ソムリエのアドバイスでワインを選ぶ。ショーケースに並ぶデリはどれもおいしそう。

 ワインとデリが一緒に買えるワインショップ「セルクル」は、イートインもできる店。ソムリエが予算や好みに合わせて、ワインを選んでくれる。デリカテッセンでは、季節の野菜を使ったテリーヌやワインに合うデリが並ぶほか、ハーブや塩などこだわりのスパイスも売っている。

左:生活のアクセントになりそうなかわいい北欧デザインの雑貨が揃う「ナチュール」。
右:かわいいカウンタークロス(台拭き)は吸水性もよく、人気。

 北欧のシンプルでモダンなデザインのインテリアや手工芸が揃う店が「ナチュール」。

 ここには、軽井沢のライフスタイルに合う北欧の上質な品々がいっぱい。洒落た小物は、軽井沢の思い出の品になりそう。

 軽井沢らしい欧米風な感じもあれば、古くからの日本の温泉地としての品格も持つ。「星のや 軽井沢」と星野エリアでは新しい日本の休日が過ごせそうだ。

星のや 軽井沢

所在地 長野県軽井沢町星野
電話番号 050-3786-0066(星のや総合予約)
URL http://www.hoshinoyakaruizawa.com/

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

Column

和の宿を味わう「旅館道」 星野リゾートのおもてなし

伝統ある日本旅館、雰囲気には憧れるけど、物怖じしたりはしていませんか? そんな和の宿の魅力とその味わいを気後れせず楽しむための心得が「旅館道」。この連載コラムでは、全国に広がる星野リゾートの至福の名宿を巡りながら、「旅館道」を追求していきます!

2015.01.11(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵