元Jリーガーが本格うどんの店をオープン!

店内入り口付近は提灯などあり賑やかなれど、内装は基本とてもシンプル。

 そして、昔ながらのバルと流行レスト=バルがしのぎを削るバルセロナに開店したのが「宵宵祇園」。元Jリーガーの石塚啓次さんが自らうどんを仕込み振舞う店だ。こちらは一等地のディアグナル通りに面し、ガラス張りのお洒落な空間。昼はジモティ&日本人ツーリストで賑わう繁盛ぶりで、行くなら夜がおすすめだ。

左:石塚啓次さん。長身の元フットボーラーがつくるうどんは、コシあり太麺にてうまし。ただいまバルセロナで流行りのオープンキッチンにて、仕込み、調理も楽しめる。
右:ディアグナル通りに、小さいながらも目立つ「宵宵」の漢字。テイクアウトの客も見かけた。

 コシの強い本格的なうどん。温かいうどんか冷たいうどんかを選び、さらにさまざま用意されたトッピングをチョイスする。海外で日本食を食べることはまずないが、ここのうどんはおいしい。つゆもカツオと煮干しの出汁がきいたよい味。枝豆や板わさなどのつまみもあって、ビールはキリン! ついつい頼み過ぎてしまうという店だ。

シンプルに梅干しとワカメをトッピング。うどんはビオの粉だけを使ったオーガニック。基本のうどんは8ユーロで、トッピング類は1~5ユーロ。
天丼も8ユーロ。セットメニューだと2ユーロ引きで、うどんとかき揚げ丼・かやくご飯・前菜盛り合わせのいずれかが選べる。

 ヴェルディ川崎(ラモス瑠偉の後に10番をつけた選手)などで活躍し、ダンディで知られた石塚さんは、京都出身。なので、うどんも関西風。店内にも祇園の舞妓芸妓の団扇が飾られ、ミニマルモダンな空間に“京都”を演出している。

こんなランチョンマットで、割り箸もきちっとしてマス。この漢字と日本的マークがスペイン人には堪らないらしい。
この立派なかき揚げを見よ! 直立するかき揚げに感動し、さくっと揚がった味にさらに感涙。

 石塚さんはファッションブランドも立ち上げているが、いまはうどん屋業も忙しい。バルセロナに渡って2年、バルセロナFCの本拠地カンプ・ノウには2回しか行けていないとか。

 タパに飽きたら、ちょっと出かけてみてはどうだろう。

宵宵祇園(Yoi Yoi Gion)
所在地 Avenue Diagonal 383, Barcelona
電話番号 +34-93-124-8701

大沢さつき(おおさわ さつき)
大好きなホテル:LAPA PALACE@リスボン
大好きなレストラン:TORRE DEL SARACINO@ソレント
感動した旅:フィリピンのパラワン島ボートダイビング、ボツワナのサファリクルーズ、ムーティ指揮カラヤン没後10周年追悼ヴェルディ「レクイエム」@ウィーン楽友協会
今行きたい場所:マチュピチュ

Column

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2015.01.07(水)
文・撮影=大沢さつき