マレーシア人が慈しむ
ごはんへの情熱

 マレーシアは、マレー半島とボルネオ島北部にまたがる常夏の国。マレー系民族(約67%)、中国系民族(約25%)、インド系民族(約7%)の主に三民族で構成される、人口約3000万人の多民族国家です。

 民族それぞれのルーツにまつわる宗教や風習などは異なっており、食文化も民族ごとのスタイルを大切に守りながら暮らしています。

 そのような文化背景から、マレーシアの本来の食風景は、マレー系の人たちはマレーレストランへ、中国系はチャイニーズレストランへ、といった具合で、民族別にごはんを楽しむことが多かったのです。

 マレーシア人はとにかく明るく大らかで、食べることが大好き。そして食に深い情熱を燃やしています。

 家族や友人達とごはんを共にする時間は彼らにとって至福の時。親しい人はもちろん、初対面の人とも必ずごはんの話題になり、そして、いつしか仲良くなってしまうのです。

 マレーシア人はいつもごはんのことを考えているのでは? とまで思ってしまうほど、彼らとの楽しいごはん談義は尽きません。そんな食への追求心が深いマレーシア人。

 「おいしいものは私も食べてみたい」、そんな思いから、他民族から生まれたごはんも、いつしかマレーシア人みんなが食べられるごはんへと進化を遂げているのです。

 その代表格となるごはんであり、民族を超えて広く万人に愛されている国民食、それが「ナシレマッ」なのです。

2014.12.18(木)
文=三浦菜穂子
写真=三浦菜穂子、古川音