大阪で初詣といえば「すみよっさん」こと、住吉大社。太鼓橋と呼ばれる反橋を渡ってたくさんの人がお参りし、三が日の参拝客は毎年200万人を超えます。本殿の建築様式は「住吉造」と呼ばれ、伊勢神宮や出雲大社に次ぐ古い様式を伝えているのだそう。

 周辺は「チンチン電車」と呼んで親しまれる路面電車が走り、古い建物が残って下町情緒が漂うエリアです。

 そんな住吉大社の東にある『粟新』は、明治25年大阪市西区千代崎橋で創業し、第2次大戦後、現在の地に移ってきた粟おこし屋さん。

左:下町の雰囲気に溶け込むようにたたずむ。この住吉本店のほか、西区九条にもお店がある。
右:大きな窓の明るい店内。茶房があるのは住吉本店のみ。

「粟おこし」は、大阪を代表する名物菓子。豊臣秀吉の大阪城築城によって繁栄したことで「身を起こし、家を起こし、国を起こす」縁起の良い食べ物として人気を得ました。江戸時代、「天下の台所」として栄えた大坂。質の良い米や飴が入手しやすかったので、盛んに製造されたといわれています。

「さざれ石」1袋 380円。もち米を原料としており、軽やかな食感。柚子、抹茶、醤油の3つの味が楽しめます。
「粟おこし」10枚束 900円。昔ながらのショウガ風味で、しっかりした歯応え。

 米を蒸して乾燥させた後、香ばしく焙じて甘味を付けて固めた粟おこし。細かく砕いた原料を固めて作った、より堅いものを岩おこしといいます。両方共、伝統的なパッケージには、今も菅原道真にちなんだ梅鉢の御紋が入っています。それは、大宰府に流される菅原道真に献上し、お礼に御紋が入った着物の袖を授かったという逸話から。

 年配の人でなくても、「大阪土産といえば、粟おこしや岩おこしだった」と懐かしがる方も多いはず。

「粟おこしは伝統のお菓子で、お米と砂糖、胡麻などでできた安心なお菓子です」と4代目を継ぐ向井祥三さんは言います。そんな粟おこしを「食べやすく、時代に合ったものにと、近年、パッケージや大きさを見直してきました」。

パッケージもかわいい「香味煎菓」各種200円。

2014.12.14(日)
文・撮影=そおだよおこ