地面からニョキ？ スペイン・リオハの
衝撃的なデザインホテル

気になる館内の居心地は？

 ひとしきり外観に驚いて館内に入ると、そこには実に居心地のいい空間が広がっている。33室の客室を含め、館内のデザインは各所にウッディな素材をうまくあしらい、クールでありながらどこか温かみを感じさせるインテリアでまとめられている。窓からは静かな村や周辺の山々が眺められ、一層リラックスした気分にさせてくれる。

ゆったりとしたスイートルーム。バスタブとシャワーブースは別々になっている。

 さて、滞在の楽しみのひとつは、何といってもその食事だろう。美食で知られるバスク地方と、美酒が自慢のリオハ地方、その境界にあるだけに、ここは時間をかけて料理とワインをじっくり堪能したい。併設のワインセラーでは、テイスティング(要予約 1人16.5ユーロ)をしたり、充実した品揃えからお気に入りのワインを購入することもできる。もうひとつの楽しみは、エステ。赤ワインの抗酸化作用を利用したアンチ・エイジング・フェイシャル・トリートメントなどは、この土地ならでは。ほかにもさまざまなプログラムが用意されている。

天井にデコレーションされたワイン樽が眼を引くレストラン。地元のリオハ・ワインを中心に、充実したワインリストが自慢だ。

ライブラリー・スペース。ここのデスクや棚のように、ホテル内では白木のファニチャーが多く使用されている。

 ホテル外のアクティビティなら、やはりワイナリー巡りが欠かせない。マルケス・デ・リスカル、CVNE、ボデガス・ムガなど、リオハ・ワインを代表するワイナリーがホテルからほど近い距離にたくさんあり、いずれも旅行者向けにワインの試飲付き見学ツアーを行っている。前述のマルケス・デ・リスカル・ホテルを始め、個性的な建物を擁しているところが多いので、色々なワイナリーを巡って、ワインだけでなくデザインのテイスティングをするのも一興だ。

最上階のテラスから眺める教会の塔。山々が暮れなずんでいき、村の明かりがともり始める時間帯が特にお勧め。

文＝坪田みゆき