世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第60回は、中央アジアの知られざる国アゼルバイジャンから、たかせ藍沙さんがレアな現地レポートをお届けします。

アゼルバイジャンって聞いたことある?

カスピ海に面した臨海公園は、市民の憩いの場となっている。

 「それ、どこにある国?」。アゼルバイジャンに行くことになったというと、こんな疑問が返ってきた。アゼルバイジャンの取材のお話をいただいたとき、実は私も地図で確認してしまった。でも、日本になじみのない国だからこそ興味をそそられ、日本での予定をすべてキャンセルして出かけることにした。現地のレポートの前に、まずはこの国について少しご紹介したいと思う。

臨海公園からも、アゼルバイジャン復活の象徴、3本のフレームタワーが見える。
バクーの街には有名ブランド店が軒を連ねる。石油や天然ガスの事業で成功した桁外れのお金持ちが多いのだという。

 「火の国」を意味する国名をもつアゼルバイジャンは、日本の約4分の1、北海道よりやや大きい程度の面積をもつ。東はカスピ海に面し、西はアルメニア、北はロシアとグルジア、そして、南はイランに接している。

 人口は約940万人で、1991年にソビエト連邦が崩壊したときに独立した若い国だ。「第二のドバイ」とも「第二のシンガポール」とも呼ばれるほどの大型プロジェクトが目白押しで注目されている。この10月には、日本でもアゼルバイジャンを特集した1時間のテレビ番組がオンエアされた。

左:19カ国から招待された39人のジャーナリストたち。映画にでも出てきそうな典型的なジャーナリストのイメージの風貌の方もいて、改めて映画のキャスティングって凄いと感心したのだった(笑)。
右:バクーの中心にある旧市街は、2000年にユネスコの世界遺産に登録された。入り組んでいるのでガイドがいないとあっという間に道に迷う。

2014.11.18(火)
文・撮影=たかせ藍沙