アメリカのグルメってハンバーガー? それとも小洒落たフュージョン・キュイジーヌ? 実は、アメリカの食文化はとても多様。中南部の州は、本格的アメリカンBBQ(バーベキュー)やこれぞ本家本元のフライドチキンなど、美味肉食で知られたところです。ミズーリ、ケンタッキー、テネシーの3州を巡り、肉食グルメとその文化を6回に分けてお届けします。

柔らかで肉汁あふれる全米トップ5のBBQの秘密

外はカリッとして中はまだほのかにピンクのポークスペアリブ。噛めば肉汁があふれる柔らかさ。

 BBQと聞くと戸外で網の上にのった肉をひっくり返している図を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、アメリカ中南部、ミシシッピ川の流域にあたるミシシッピ・リバー・カントリーの一つ、ミズーリ州のセントルイスで食べたBBQは、本格的なアメリカンスタイルで、調理法が日本のBBQとひと味違う。

店内には来店したスポーツ選手のサインもいっぱいで、アメリカのダイナーの雰囲気。

 全米トップ5BBQに輝き、いつも行列の出来る人気店「パピーズ・スモークハウス」のBBQは、ソースでマリネした肉を焼くのではなく、じっくりとスモークする。柔らかでジューシー、肉の旨味が口に中であふれるようなスぺアリブは、骨までしゃぶりたい味だ。

BBQソースを買って、自宅で焼くこともできるが、じっくりとスモークした味にはかなわなそう。

Pappy's Smokehouse(パピーズ・スモークハウス)
所在地 3106 Olive St., St. Louis, MO 63103
電話番号 +1-314-535-4340
URL http://www.pappyssmokehouse.com/

ザ・ブロックで出た自家製ソーセージやテリーヌ。味付けでごまかしがきかない、肉の味で勝負。

 また、おいしい肉を知っているローカルの間でも人気のレストラン「ザ・ブロック」は、街角で評判の肉屋(ブッチャー)がおいしい肉を切り分けていた時代にトリビュートを捧げた、こだわりの肉を使うお店。牧草飼育牛や、周辺の畜産家から仕入れた豚や鶏を使った自家製ソーセージや料理の数々は、肉本来の味が生きて、シンプルながら味わい深い。前菜には、甘さのなかにどことなく肉の旨味を感じるベーコンジャムという珍味も。

店内にも豚のモチーフ。シンプルな雰囲気で、近所の人達も気軽にディナーを楽しみに来る。

The Block(ザ・ブロック)
所在地 33 North Sarah St., St. Louis, MO 63108
電話番号 +1-314-535-5100
URL http://theblockrestaurant.com/

2014.10.18(土)
文・撮影=小野アムスデン道子