キム・ウビンはすでにスターの貫禄がたっぷり

身長187センチのキム・ウビン(左)。158センチのシム・ウンギョンと並んでいたせいか、背をかがめて挨拶。

 今年で20歳のウンギョンは、10歳から子役として活躍しているものの、素朴なキャラクターが魅力。かなりの上がり症で、開幕式の壇上では言葉に詰まってしまう一幕も。会場にいたヒョンビンも心配そうに見つめる姿がスクリーンに大写しになる中、会場から「かわいい!」「頑張って!」の声援を浴び、顔を赤くしながら「広報大使に抜擢されただけでも感謝していますし、いろいろ学ぶことが出来ました。さらにこんなに大きな賞までいただき、とても光栄ですし、この賞の意味を忘れないようにしたい」と挨拶、大きな拍手を浴びた。どことなく挙動不審な感じが、リアル・のだめっぽくて、今後さらに人気が出ることは間違いないはず。

左:シム・ウンギョンは、「春のワルツ」「太王四神記」などの人気子役からアメリカ留学を経て、演技派スターへ成長。
右:キム・ウビンの新作は、犯罪アクション映画『技術者たち』。

 一方、キム・ウビンはドラマ『相続者たち』で注目されたモデル出身の25歳。映画『チング 永遠の絆』では、前作『友へ チング』の主人公チャン・ドンゴンの遺児であり、ヤクザとなる若者を鋭い眼差しで演じている。壇上では、「プチョン市民の方々が選ぶ賞をいただけて、光栄だし感謝しています。実は昨日は僕の誕生日だったんです。ファンタスティックなバースデープレゼントをもらえて、気分もファンタスティックです」と堂々とスピーチ。すでにスターの貫禄すら感じさせた。

 若いスターが次々と出てくる韓国映画界。数年後には「あれ、あの若手はどうしたっけ」と思うこともしばしば。華やかなステージを見つつ、厳しい世界だなあ、とぼんやり思うマダムアヤコであった。

石津文子 (いしづあやこ)
a.k.a. マダムアヤコ。映画評論家。足立区出身。洋画配給会社に勤務後、ニューヨーク大学で映画製作を学ぶ。映画と旅と食を愛し、各地の映画祭を追いかける日々。ときおり作家の長嶋有氏と共にトークイベント『映画ホニャララ はみだし有とアヤ』を開催している。好きな監督は、クリント・イーストウッド、ジョニー・トー、ホン・サンス、ウェス・アンダーソンら。趣味は俳句。俳号は栗人。「もっと笑いを!」がモットー。