歓声とどろく闘牛もお見逃しなく

1ラウンドで槍に刺される牛。馬は鉄のプロテクトを付けている。

 マラガの闘牛は、フェリアとイースターの期間を中心に開催される。

 闘牛士が赤い布をひらひらさせて牛を誘う様子が思い浮かべられると思うが、実際には3ラウンドにわたる死闘の末、最終的に牛は刺し殺されてしまう。

左:3ラウンドでメインの闘牛士が長い剣を持って登場し、歓声を浴びる。
右:最後、力を振り絞って闘牛士に向かう牛。会場の声も高まる。

 1ラウンドでは、数名の闘牛士の誘いで走らされた牛は、馬上から槍で刺される、2ラウンドでは、補助の闘牛士が牛の気を引いて、一人がエスパーダという真剣で牛を刺す。そして3ラウンド目は、遂に闘牛士と牛の1対1勝負で、牛も死に物狂いだが体力尽き果てたところにとどめを刺される。会場は、勝負ぶりを見ながら大声援で、熱く、血の気が多い。

左:夜は街中の広場とは別の会場に行く。電飾で輝くゲート。
右:会場内も華やかな飾りでフェリアの夜が彩られている。

 日が暮れてからフェリアのもう一つの会場に行く。こちらはお祭り用に臨時のレストランやライブハウスがたくさん建っている。その中の一軒に入り、フラメンコを踊るときの歌、カンテを聴く。身体から絞り出すように出される声は、これもまた熱く、魂に響くような歌だった。

左:名産のハムやチーズをワインと。ワインは甘めの白。
右:フラメンコ・ギターの音は、時に切なく時に激しく、絞り出すような声が会場に響く。

<次のページ> ピカソの幼少期にふれ、海の幸に舌鼓を打つ

2014.09.30(火)
文・撮影=小野アムスデン道子