遠浅の海に浮かぶヒミツのサンドバンクへ

 珍しい体験をした後は、ビーチでのんびり過ごしましょう。ボホール島と橋でつながった小さなパングラオ島に美しいビーチやリゾートなどが集中しています。そのパングラオ島の南西にあるアロナビーチ、これがまたアジアンビーチらしい、ユルい空気が心地いいんです。

アロナビーチ沿いの白砂の道。ダイビングショップやレストランが並んでいます。

 長さ約500メートルの白砂のアロナビーチは、15分もあれば踏破できるコンパクトなサイズ。白砂は目にまぶしいほど白く、ヤシの木々は自由きままに生えています。ビーチ近くのリーフの切れ目で、淡いブルーの浅瀬がくっきりとした青に変わり、沖には真っ白なバンカーボートが無数に浮かんでいます。木陰にはアジアンビーチのお約束(!?)、マッサージおばちゃんたちがスタンバイ(強引ではないので、ご安心を)。

このビーチのマッサージおばちゃんは年齢層が若め。そのせいなのか、強烈な押しをしてくることはありませんでした。

 そしてビーチと並行した未舗装の小道には、ダイビングショップやオープンエアなレストラン、小ぢんまりとした土産物店などが並んでいます。日中はそれほど混雑もなく、サンセットに間に合うようにダイビング用のバンカーボートが戻ってくると、ダイバーたちや使用済みタンクを運ぶスタッフでちょっぴり賑わう程度。

 どことなく開発の波から逃れた、タイの小島のような雰囲気なのです。気取りもなく、ビーサン&Tシャツで過ごせるので、レイドバックな休日にはおすすめしたい穴場ビーチです。

アロナビーチ沖の、とにかくキレイなサンドバンク。特に施設はないのですが、リゾートによってはこんなセットアップも。(C) Eskaya Beach Resort & Spa

 ちなみに、アロナビーチ沖には遠浅の海に浮かんだ、ヒミツのサンドバンクがあります。バンカーボートで約1時間(スピードボートなら約20分)、緩やかにカーブを描いた白砂の道のようなサンドバンクが見えてきます。周囲には、数本のヤシの木をのせた小島がぽつりぽつりと浮かんでいて、どことなくモルディブのよう。「あれ、今どこにいるのだっけ?」と、頭の中で確認してしまったほどです。サンドバンクにはなんの施設もないのですが、リゾートによってはロマンティックな演出をしたピクニックを用意しているところも。

 珍しい風景&動物、アジアらしい雰囲気の穴場ビーチや絶景サンドバンク、しかもステキなリゾートホテルもあるボホール。セブ島から一歩足を延ばすだけで、いいのです。

ボホール
●アクセス セブ島からフェリーで約1時間30分でボホール島のタビラランへ。アロナビーチへは、そこから車で約50分。
●おすすめステイ先 アモリタ
URL http://www.amoritaresort.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

 

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.09.06(土)
文・撮影=古関千恵子