原作とまったく容姿が違う最新作も高校生役

――今年に入っても中学生役を演じた『銀の匙』のほか、『青天の霹靂』『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』などの大作にも出演。また、「たまひよ」のCMでは実年齢に近い父親役を演じられていますよね?

 学生時代は、大作に対するアンチ的な部分がちょっとあったので、今の状況は信じられないし、不思議な感じではありますね。『銀の匙』は27歳で中学生役ですから(笑)、衣装合わせのときから、ドキドキしてましたね。でも、なかなか難しいっすね。僕、あまり器用じゃないんで、芝居を使い分けられないんですよ。自分自身をベースにしてやるしかないんで、「これで大丈夫かなぁ」っていろいろ考えちゃって、毎回、結構躊躇しています(笑)。でも、いろんな現場に行ってみて、基本的に自主映画を撮っていたときとやっていることは変わらないと感じています。作り手の情熱は同じだし、関わっている人の数が違うだけじゃないでしょうかね。

――主人公・吾朗を演じた最新作『鬼灯さん家のアネキ』の今泉力哉監督は、『終わってる』でも組まれていますよね? また原作の吾朗と容姿がかなり離れていることについてはどう思われましたか?

 今泉監督はもともと知り合いですが、この作品に関してはプロデューサーが僕を今泉監督に提案してくれたところから始まったようなんです。原作の吾朗とは容姿は違いすぎているんですが、個人的にはファンからの炎上覚悟で「かかってこいや!」というメラメラとした気持ちでしたね(笑)。でも、映画は映画だし、原作を意識せず、脚本を読んだときの印象で演じられたらいいなと。まぁ、女性が苦手だったり、自分と被る部分もあるので、やりやすかったといえば、やりやすかったです。

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2014.09.05(金)
文=くれい響
写真=深野未季