推薦人:鳥居裕子さん(兵衛)
「わかどり小林」のからあげ弁当

からあげ弁当1,100円(税抜価格)/わかどり小林

 貴船神社の歴史は、初代天皇である神武天皇の母、玉依姫命が、黄色い船で淀川から貴船川をのぼり、現在の奥社の場所に社殿を建てたのが起源だと伝えられています。貴船の名前の由来は、姫が乗ってきた黄船にあるという言い伝えもあります。その船を隠すために、石を積み上げたものが本殿西側に「船形石」として残っています。江戸時代には、貴船神社詣での宿として、また若狭からの街道の中継地の休憩所として、料理旅館が清流貴船川沿いに発展しました。京都の夏の奥座敷とも言うべき有名な「川床」は意外に歴史が浅く、大正時代に始まったとされています。

「兵衛」(外部サイト)の鳥居裕子さん。わかどり小林のからあげ弁当の他には、籠嶋園 抹茶と焙じ茶、龍園の焼ぎょうざ、朧八端雲堂の生銅鑼焼(なまどらやき)、フレンドフーズの風漣堂 完熟赤山椒、UCHU wagashiの落雁、北山のイル・マーレのミネストローネ&子羊のグリルなどもお好みだとか。

 旅館街のほぼ最奥にある名旅館「兵衛」の女将が鳥居裕子さんです。昨年、全面的にリニューアルされた、少人数宿泊の上質な宿です。川床で、天然のクーラーである冷たい川に足を浸けたりしながら(あまりやるのはご法度ですが)、京料理を堪能されてはいかがでしょう。

 鳥居さんご推薦は、「わかどり小林」のからあげ弁当です。「わかどり小林」は京都に店を構えて40年、何度か転居されていますが、鳥居さんが学生時代から通っておられる店です。新鮮で丁寧に処理をされた美山の地鶏を使った刺身を筆頭に、肝のペースト、からあげ、串焼き、すきすき鍋等、数々の逸品を楽しめます。某皇室の方から庶民まで客層は幅広く、息子さんと二人三脚で切り盛りされています。

 お持ち帰りの弁当は3種あり、13時から予約可で17時から受け取れます。桜の開花の時期、かがり火を焚いて無料開放される桜守の佐野藤右衛門さんの庭園で、唯一販売が許されているのがこちらの弁当で、庭園内で食べることができます。

わかどり小林
所在地 京都市北区烏丸紫明東入ル北側 
電話番号 075-451-9255 
営業時間 17:00~22:00ラストオーダー
定休日 火曜、第3水曜日

小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。

2014.09.03(水)
文・撮影=小林禎弘