Magnificent View #322
死海(ヨルダン)

(C) George Steinmetz / Corbis / amanaimages

 ここは死海。ヨルダン側の湖岸に開いた洞穴から望んだ日没の風景である。

 天井からぶら下がる無数のつらら状の物体、そしてその下にある水晶のような塊は、打ち寄せる波に含まれる塩分と石灰分が凝固したものだ。

 死海の塩分濃度は約30%。海水の平均が約3.5%だから、どれだけ濃いか想像できるだろう。しかし、何でまたそんなにしょっぱい湖が存在するのだろうか?

 死海の湖面の標高は、マイナス420メートル。ここは、地球上で最も海抜の低い場所なのだ。それゆえ、湖水の流出先となる川が存在しない。さらに高温のため、溜まった湖水はすぐに蒸発し、もともとの土壌が含んでいた塩分が濃縮されてしまうというわけ。

 その塩分の作用で、どんなカナヅチでも死海では浮かぶことができる。お試しあれ。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2014.08.18(月)