世の中が夏休みムードなので、夏らしく盛り上がっている臨海副都心エリアに行ってみた。人工渚の広がるお台場海浜公園、大観覧車のある屋内型アミューズメント施設、トヨタやレゴが運営するテーマパーク、博物館や温泉施設、ショッピング街もあり、一日じゅう過ごせる。

 レインボーブリッジは自転車では渡れないので(徒歩なら渡れます)、ゆりかもめに乗って台場駅で下車。今回訪問するくまざわ書店は、球体展望室が印象的なフジテレビの向かい側、複合ショッピング施設アクアシティお台場の4階にある。

アクアシティお台場とフジテレビ。
くまざわ書店アクアシティお台場店。通路を挟んで、両側が売り場。

 館内では、「少年ジャンプ」のキャラクターを集めたショップや『ドラゴンボール改』のイベント、フジテレビの人気深夜アニメ「ノイタミナ」で人気の『サイコパス』など期間限定のイベントを開催しており、取材日は夏休み最初の週末とあって、ファミリーやカップルで賑わっていた。レストラン街はオーシャンビューで、夜にはレインボーブリッジと対岸の夜景が楽しめる。東京湾大華火祭(2014年は8月10日開催)には、多くの人出が予想される。

 くまざわ書店チェーンでは、以前品川店の取材をさせていただいたが、アクアシティお台場店は、そんな立地から、客層も売れ筋商品もチェーン他店とは大きく異なると、店長の相原聡子さんは言う。

フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」放送作品。 『PSYCHO-PASS -サイコパス-』を大きく展開中。
『ドラゴンボール』は、画集も人気が高い。

 この店の一つの柱として、アニメファン層がある。隣接する映画館への来場者も多く、ファミリー層がターゲットのアニメの絵本やグッズももちろん扱っているが、やはり大きいのは深夜アニメファンの存在だ。アクアシティ内にあるアニメ「ノイタミナ」のグッズを販売するノイタミナショップ(外部サイト)では、テレビ放映に先駆けて翌週放送分を店内のスクリーンで見られる先行上映会を開催しており、書店でも関連する原作コミックスやノベライズ本、画集などを販売し、連携して盛り上げる。『サイコパス』の放映に当たっては、早川書房と連携して作中に登場するSF小説を集めた「紙の本を読みなよ」フェア(※)を展開した。

 映像化作品については、事前にチェックして関連書を仕入れ、館内でイベントがあれば連携して盛り上げを図る。大規模ショッピング施設は昔ながらの商店街とは違っても、館内のショップと連携してフェアを展開するあたり、何か人情のようなものが感じられる。

※電子書籍の普及する近未来、紙の本を愛する作中人物のセリフに基づく名作SF小説フェア。

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2014.08.09(土)
文・撮影=小寺律