音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
TEE & AI「Let it be」

ブラックミュージックとJポップが見事に融合

山口 サッカーW杯が佳境ですね。日本代表が負けてから、本番が始まった感じで寂しいですが。

伊藤 もともと、そんなにサッカー・パーソンではないのですが、今回のW杯は、僕が元プロデュースしていたNEWSが日テレのテーマソングを歌っていたし、手越祐也がそのメーンキャストだったので、気にはしていました。けど、あんまり試合は観れてないかな。

山口 僕は大好きなのですが、仕事が忙しくて、本気でハマると、生活が崩壊するので、最小限にするように気をつけてます。ただ、サッカーは世界言語っていうけれど、国柄、民族性みたいなものが透けて見えて面白いですね。英国発祥といはいえ、ブラジルでは国技みたいな感じだし。

伊藤 そうですね。カルチャーとして、音楽と共通するところがありますよね。

山口 民族や国境を超えるものでありながら、同時に民族性や風土の特徴が色濃く出るというのが似ていますね。

伊藤 さて、今回は5月に取り上げた「T字路」に引き続き男女コラボ作品。デュエットっていうと古臭いって怒られそうだけど、日本人は何だかんだで好きですよね、デュエット。これもカラオケ文化の影響で、男女が一緒に寄りそって歌うっていうのが、ディスコで言うところのチークダンス。アメリカのクラブではチークダンスとは言わなかったけど、そろそろお開きって頃に、スローナンバーを流して男女が密着してダンスする時間があった。ある意味、デュエットは日本人の求愛のスタイル!

山口 歌やダンスは、サッカーと同じで、民族ごとの文化の違いとして表れますね。照れ性の日本人もカラオケでデュエット曲に誘うことならできるってことでしょうか?

伊藤 そうですね。歌を通して会話を交わし、視線を交わして、擬似恋愛の感覚でしょうね。

山口 「T字路」との違いは、ルーツミュージックの香りの有無ですかね? ジャパニーズR&Bって言葉が一般化したのは、MISIA、宇多田ヒカルの頃からでしょうか? 最初は、違和感がありましたけど、こういう曲を聴くと、確かにブラックミュージックをベースに、Jポップの要素が合わさったひとつのジャンルだなと納得できます。

伊藤 ですね。最近ではデュエットもヒップホップの影響で、フィーチャリングという言い方しますし。アメリカの流れを掴むことがカッコイイ、という風潮は、ことポップミュージックに関しては相変わらずですね。

<次のページ> ニューオーリンズで感じる「特別な何か」

2014.07.12(土)
文=山口哲一、伊藤涼

SHARE

この記事が気に入ったら「いいね」をしよう!