思わぬ場所で薔薇女子トーク炸裂!

夜明けとともに花びらをほころばせるダマスクローズ。シリアのダマスカス原産と言われている小ぶりのオールドローズだ。

 翌朝もふたたび同じ薔薇農園へ。当初の予定では、前日にテヘランに戻る予定だった。でも、薔薇に触れれば触れるほど離れがたくなってしまったのだ。テヘランに戻らなくてはならないマジードさん夫妻が、カーシャーンの町でガイド兼ドライバーを探してくれた。急きょ駆けつけてくれたガイドのムラッド君と、前日と同じ夜明け前の5時にホテルを出発して、前日と同じ薔薇農園へと向かったのだ。

 車から降りて薄暗いブッシュの中をスタスタ歩いて行く私たちに、「いったいどうやってこんなところを見つけたの?」とびっくりしているムラッド君。すると、やはり薔薇摘みは始まっていた。3日も通うと農園主一家も笑顔で迎えてくれる。またも写真をたくさん撮らせてもらい、日が差してきた頃に帰ろうとすると、「朝ご飯を一緒にどう?」と誘ってくれた。

無数のダマスクローズを一輪一輪手で摘むので、夜明け前から摘み始めても収穫しきれない。少しずつ朝日が差し込んできた。

 ということで、薔薇農園主のアボスさん一家のお宅にお邪魔することに。玄関から階段を上って2階へ。すると、アボスさんのお母さんのファティメさんがクルミとハチミツで出迎えてくれた。このハチミツ、この家のすぐ前の林の中にずらりと置かれたミツバチの巣箱で集められたもの。その周囲は薔薇農園だ。つまり、ほぼダマスクローズのハチミツということになる。なんてぜいたくなハチミツだこと!

左:早朝に収穫したダマスクローズは色も濃くて香りが強い。香りをお届けできないのが残念!
右:ご自宅での朝ご飯に誘ってくださるアボスさんとタイエバさんご夫妻。

 お嫁さんのタイエバさんが、トマトとキュウリ、目玉焼き、ヨーグルト、自家製パンなどを次々と運んで来てくれた。ムラッド君によると、イランの一般的な朝ご飯はこんな感じなのだとか。彼の通訳であれこれ話をしているうちに年齢の話に。実は同行させていただいた新井さん、ビューティコンテストの最終審査に残るくらいの美女で、日本人の中でもひときわ若く見える方。写真のファティメさんは64歳、タイエバさんは32歳だ。彼らが推測した新井さんの年齢は実年齢よりも20歳も若かった。

クルミとダマスクローズのハチミツで出迎えてくれたファティメさん。

 で、新井さんの年齢を聞いた途端に女子トークが炸裂(笑)!「いったい何をしたらそんなに若くなるの?」、「毎日ローズウォーターを飲んでるからだって? 私たちだって飲んでるわい!」、「アンタが作ってる化粧品はそんなにすごいのかい?」と、ムラッド君の通訳が追いつかなくなるくらいに熱くなったファティメさんとタイエバさんは、新井さんを質問攻めに。いつの間にかご主人のアボスさんは出かけてしまった(笑)。美容の話で熱くなるのは万国共通ということを確認できた素敵な朝だった!

左から、女子トーク炸裂で必死に通訳するムラッド君、お嫁さんのタイエバさん、お義母さんのファティメさん、若さの秘訣を説明する新井さん。

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2014.06.03(火)
文・撮影=たかせ藍沙