世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第35回は、大沢さつきさんがモロッコでめぐり合ったハプニングの数々についてのお話です。

移動は、現地の人たちと触れあう機会ととらえよう

早朝出発の移動には、カフェでの朝食。焼きたてのモロッコ的クレープ、ムスンメンの味は格別。

 モロッコでの移動は基本、車。ロイヤル・エア・モロッコなる航空会社が国内線も飛ばしてはいるが、フライトキャンセルが多く、残念ながら評判がよろしくない。で、車に長時間揺られての移動となるのだが、これがまた、楽しいやら何やら、ハプニング続きの道中です。

飲み物はもちろんミントティー。昔ながらの円錐の砂糖の塊は、街中のカフェではなかなか出会えない。

 まずは、マラケシュ~エッサウィラ間の移動。ホテルでは、高速道路ができたから2時間半もあれば着くという。一方ドライバーは、高速道路はルートから外れるので遠回り。一般道を走って5時間はかかるという……。

 コレってどうなのよ?

 結果は5時間半でありました。が、正解というわけでもない。道中、お茶も飲みたくなるわけで、ドライブインならぬカフェで休憩。さらにはエッサウィラ郊外名物、アルガンツリーの見所もありで、記念撮影。ドア・トゥ・ドアなら2時間半だが、旅は寄り道でしょということなのだろう。

エッサウィラ郊外。アルガンツリーに鎮座する山羊たち。ポイントがいくつかあって、ドライバーは契約(?)している山羊飼いのいるポイントに案内してくれる。

 もっともドライバーが懇意にしているカフェや名所に寄るわけで、思うに、そこにはキックバックがもたらされる。モロッコでは、多くの場面でこうした見返り料が発生するが、慣習くらいに思うのが一番。目くじらを立ててばかりだと旅は楽しくない。ただ、度が過ぎるのは、困りもの。ツーリストは寛容であるべきだが、ナメられてはいけない。

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2014.05.27(火)
文・撮影=大沢さつき