今や世界各地の料理が楽しめるといわれる東京。

 食を提供する場に魅せられた料理人たちが、それぞれの思いを抱えて日々“おいしい”を追求中。ライブ感溢れる料理、お店の設え、それらを創り出す料理人の愛ある結晶を一刻も早く味わって!

» 第1回 パリの自然派ワインバー姉妹店 目黒「le verre volé à Tokyo」
» 第2回 京野菜とワインと食後酒 代々木上原「Kyoya Cucina Italiana」
» 第3回 お客参加型で味わうフレンチ 初台「Anis」
» 第5回 居心地も最高の直球ビストロ 西麻布「Le Bouton」

中国菜 膳楽房

厨房はオーナーシェフ・榛澤知弥さん(右)と盟友・張振隆さんが並ぶ。長年共に働く二人の息はぴったり。

一見カフェ風な空間で
クラシックな本格中華

昭和40年代に出版された広東や四川などの中国料理書。ここにも勉強家の側面が。

 開店2年目にして毎日昼夜フル回転。そんな中でも、「膳楽房」オーナーシェフの榛澤(はんざわ)知弥さんと、片腕・台湾人の張振隆(チョウツェンロン)さんには笑顔が絶えない。二人は幡ヶ谷「龍口酒家(ロンコウチュウチャ)」出身。榛澤さんはここで美味が身に染み込むまで反復を繰り返した10年の修業を経て、昨年独立した。ひと皿に使う食材と調味料は最小限。絞り込んでもしっかりした輪郭が出せるのは、師匠・石橋幸さんの下で学んだクラシックな料理法に忠実だから。「昔の料理って今見ると新しいんですよ」と榛澤さん。土台があるからアレンジしてもブレはなし。繁盛店に理由ありだ。

左:自家製腸詰め850円。添えた甜麺醤、豆板醤も手作り。
右:台湾産竹の子と干椎茸の正油煮1,600円。

中国菜 膳楽房
所在地 東京都新宿区神楽坂1 -11- 8  
電話番号 03-3235-1260 
URL http://zenrakubou.on.omisenomikata.jp/
営業時間 11:30~14:30、17:00~23:00
定休日 月曜日、不定休あり 
席数 カウンター4 、テーブル8 、2Fテーブル18
予約 要予約
カード 可 
予算 ランチ800円~、ディナーコース3,800円~、アラカルト550円~、ボトルワイン2,800円~

2014.05.13(火)
文=木原美芽
撮影=八幡 宏

CREA 2014年6月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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