前略 片付けられない女子の皆様

 片付けられない人にとって、「衣替え」という作業ほど厄介なものはありません。衣替えをしながらついでに物の整理もしようと思うので、結局何をどうしたらいいかわからず、広げてしまった物を元に戻す事も出来ず、ぐちゃぐちゃ……なんてことも少なくありません。「衣替え」と聞くと、面倒だな~と思う方がほとんどなんじゃないですか?

 さて、衣替えは平安時代の宮中行事から始まったと言われています。四季のある日本だからこその、習わしのひとつといえるでしょう。ですが、このところの日本の四季は、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がふさわしくなくなってきているのかも。4月を過ぎてもとっても寒い日があったり……。梅雨時期にもう一度厚手の長袖が着たくなったり……。秋になってもTシャツで過ごしたくなったり……。季節の境目がはっきりしなくなっているわけです。

 そのため、私が仕事で「クローゼットオーガナイズ」をした際、衣替えをなくす人が圧倒的に増えている! ということをまずお伝えする必要があるでしょう。

 昔は我が家でも衣替えに1日や2日、いや、正直に言えば終了までに1週間近く使っておりました。ですが冷静になってみると、クローゼットの2倍量の洋服は着こなせていないことが判明。1年間に着る物の全てをクローゼットに収める! というコンセプトのもと、衣類を絞ることにしました。

 絞る作業はいささか骨の折れる作業ですが、結局のところいつも着ている衣類は同じ……。2倍どころか、2割程度しか着ていないのが現状、というお宅がほとんどです。その分、衣類の回転を早めていけば、いつも旬の洋服を着られるというメリットもあります。

オンシーズンの服は肩部分だけを覆うカバーで、見えるように収納します。
オフシーズンの服はすっぽりと収めて、「今着るものではない」ということをしっかりわかりやすくする。同時にホコリよけにもなります。

 その上、ズボラな私にふさわしく……わざわざたたんで収納するのではなく、ハンガーの入れ替えをするのみですから、急な暑さや寒さにもすぐ対応が可能。

 オンシーズンの服は肩部分だけを覆うカバー、オフシーズンの服はすっぽり入るマチつきのカバー(こちらのサイトで購入できます)と、季節によってカバーだけを替えています。

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2014.03.30(日)
文・撮影=鈴木尚子
写真=収納の巣