直径10センチ。2人か3人でシェアして、ちょうどよいくらいの大きさです。

 今回ご紹介する「リベルターブル」の森田シェフは、独創的な感性で数々の前衛的な料理とデセールを生み出し、パティシエ界の最先端の人として注目されるシェフ。その森田シェフが2013年にオープンしたのがこのお店。

 白とゴールドを基調にした佇まいは、ハイブランドのブティックのよう。アントルメ、ケーキ、焼き菓子、ヴィエノワズリーなどが美しく陳列されています。ケーキをいくつか食べてわかることは、ひとつひとつの完成度が本当に高いこと。

 たとえば、アマンディーヌカシス(1,260円)。

 最初のひとくちは、甘みがうすいかなと一瞬感じたのですが、ふたくち、みくち、と食べ進めると「これはおいしい!」と確信し、食べ終わるころには、深い満足感。アーモンドの粉の風味とカシスの酸味がゴールデンバランスで引き立てあってます。

 このバランス感覚がまさに、森田シェフの才能。フランス菓子らしい洗練されたシックな見た目でありながら、味はフランスに憧れていない人の表現、といえばいいのかな。いわゆる、“本場”を拠り所とせず、自分の味覚で堂々と確信を持って仕上げられたケーキなのです。

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2014.03.19(水)
文=肱岡香子