円山公園は京都の繁華街・四条河原町や祇園にも近く、桜の季節は花見の宴会や出店も賑やかで、京都でも屈指の桜の名所と言えるでしょう。シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラが680本も植えられており、3月から4月の比較的長い期間、桜を楽しむことが出来ます。

 なかでも有名な「祇園枝垂桜」は円山公園の西側に位置する中央広場にあり、日本一有名な桜守、第16代佐野藤右衛門氏が世話をされています。昼間もきれいですが、やはりライトアップされた夜桜が美しく、池の対岸から水面に映る姿も幽玄です。周りにかがり火が焚かれ、古都の演出に一役買っています。

 東山と八坂神社に挟まれた円山公園は、かつては「真葛が原」と呼ばれ、寺坊や堂塔が点在するところでしたが明治19年(1886年)に市内最古の公園として開設されました。初代の祇園枝垂桜は祇園社感神院(現在の八坂神社)の宝寿院にあり、公園にするときに伐採されそうになったところ世論の声で存続しました。天然記念物にまで指定されましたが、1947(昭和22年)年に枯死。現在の桜は二代目桜で、第15代佐野藤右衛門氏が初代の種を採取し育てたものを昭和24年(1949年)に現地に植えられました。

 最近は生ゴミを狙うカラスに枝を傷つけられたりして、年々形が変わってきています。ルールを守って鑑賞しましょう。

 撮影は日没後、まだ空が落ち切らない時間がベストでしょう。カメラのホワイトバランスを白熱電球に設定すると、花を白く写せます。ISO感度を高く、露出はアンダー目にしましょう。かがり火を絡ませるとコンテストに出せるような写真が撮れるかもしれません。

 園内や近辺には、名料亭の「菊乃井」「左阿彌」「いもぼう平野家」などもあります。桜のついでに京都の美味を堪能してはいかがでしょうか?

円山公園の桜スポット
交通手段 市バス「祇園」下車。京阪電鉄「祇園四条」駅下車。阪急電鉄「河原町」駅下車。

小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。

2014.03.03(月)
文・撮影=小林禎弘