穀物や野菜を中心とした食事法、マクロビオティック。この連載では旬の食材を使った簡単マクロビレシピを紹介します。オールベジとは思えないしっかりしたおいしさと食べごたえは、週末のブランチや友人の集まるパーティレシピにもぴったり。ストイックになりすぎない「ゆるマクロビ」をはじめましょう。

山芋とお豆腐のフラン

「山芋」のマクロビレシピ完成写真

 秋から2月にかけて旬を迎える山芋、今回は一番多く流通している品種の長芋を使います。すりおろした長芋とお豆腐を合わせてオーブンで焼き上げたアツアツのフランは、シャンパンや辛口のスパークリングワインとの相性も抜群で、オードブルとしてもお勧めです。

 本来、フランとは溶き卵に牛乳や生クリームを加えた卵液にハムやベーコン、チーズ、野菜などの具材を入れてオーブンで焼き上げるお料理ですが、オールベジでは山芋とお豆腐に、ターメリック(ウコン)で卵色に色付けして焼き上げます。ふんわりとクリーミィな口当たりは卵を使ったフランに負けないおいしさですよ!

【旬の食材】 大和イモ(左)、長芋(右)

「山芋」のマクロビレシピ素材写真

「山芋」はよく目にする大和イモや長芋の他、自然薯、イチョウ芋など色々な品種がありますが、いずれも漢方では滋養強壮に用いられ、スタミナ満点の食材です。マクロビでは体を温める陽性の食材で、特に下半身の血流を良くして温める効果が高く、冷え性の方に良いと言われています。

 またコレステロール値や血糖値を抑制したり、肝臓や腎臓の機能を向上させたりする効果もあると言われています。肝臓は、アルコールの分解や、糖、脂肪の代謝だけでなく、薬品の解毒も行う臓器です。今の時期、風邪を引いたりしてお薬を服用している方も多いはず。そんな方は肝臓がお疲れモードかもしれません。

 また温かいコーヒーや紅茶のティータイムはホッとするひと時ですが、利尿作用の強い嗜好飲料は腎臓を酷使してしまいます。そんな方は山芋のお料理で体の中を労わってあげてくださいね。

 まだまだ寒いこの時期、日々の食卓に山芋を取り入れて、下半身の冷えを取り、はたまた肝臓・腎臓まで元気にしてあげましょう!

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2014.02.21(金)
文=中村恭子
撮影=秋元良平