デザートはワゴンサービスの「クレープシュゼット」を!

まずはクレープパンに砂糖をとかしてカラメルソースをつくり、オレンジ果汁を加えてソースをつくります。クレープはオレンジ果汁を加えたカラメルソースでかるく煮ておきます。

 さて、食後にアラカルトでデザートを注文するなら、一番のおすすめは「クレープシュゼット」です。なぜおすすめかというと、これを注文するとクレープシュゼットがつくられる一部始終を目の前で見ることができて、それがとっても楽しいからです! ワゴンにのった銀製のクレープパンにバターと砂糖を溶かし、フレッシュなオレンジジュースとオレンジでソースをつくり、その中でクレープをあたため、フランベするという一連の手順がすべて目の前で行われ、まるでショーを見ているよう。所要時間は約20分。そんな長い時間、自分の目の前でサービスマンが私だけ(注文は2人分からですが)のために一からデザートを仕上げてくれる……女性としてこんなに嬉しいことはない! のではないでしょうか。

オレンジの皮を空中でむくパフォーマンス。リンゴの皮のように長くむくのは、ソースに香りをつけるため。オレンジの皮にフランベの炎を移し、長くむいた皮をつたってコアントローをクレープにしたたらせて、ソースにオレンジの香りをつけるのです。

「クレープシュゼット」とは、モンテカルロを漫遊中の英国皇太子(後のエドワード7世)の恋人シュゼットさんのために料理人のアンリ・シャルパンティエがつくったとされるデザート。皇太子に見初められた美女気分も味わえるというものです。とても手がかかるため本来は高級店のデザートメニューであり、東京でこんなワゴンサービスをしているのは他に「ホテルオークラ 東京」「マキシム・ド・パリ」「アンリ・シャルパンティエ」ぐらいで、本場パリでも相当クラシックなお店に限られるようです。オレンジ風味のカラメルソースで煮られたクレープは、ほろ苦く甘い濃厚なソースをたっぷり吸って、もっちりとした独特の食感が魅力的……! サービスにも、お味にも、酔いしれてしまいます。

レードルに入れたコワントローに火をつけると青い炎がゆらめき、場が沸きます。コワントローをレードルからオレンジの皮をつたわらせてクレープパンに注ぎ、フランベします。

 クラシックなパリの空気が好きなアナタは、前菜もメインもデザートも名品揃いの「ラ ブラスリー」で、優雅なレディ気分を味わって。おすすめです!

パリ風のデザートといえば「クレープシュゼット」 (要20分・2名様分より注文可)5,000円 デザートメニューにはほかに“アメリ”が好きなクレーム ブリュレ(1,000円)も用意されています。

トラディショナルダイニング 「ラ ブラスリー」
URL http://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/la_brasserie/
所在地 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル 東京 タワー地下1階
電話番号 03-3539-8073 
営業時間 11:30~14:30(ラストオーダー)、17:30~21:30(ラストオーダー)
メニュー ランチ 3月 3,250円~ 4月 3,300円~、ディナー 3月 8,200円~ 4月 8,500円~(税込・サ別)

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小松めぐみ (こまつ めぐみ)
東京都生まれ。食い道楽の親の影響で、10代半ばにして料理に目覚める。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスに。2000年に独立し、主に雑誌で飲食関連の記事を編集している。

Column

小松めぐみの“キレイになれる”レストラン

食べてキレイになれる一皿、見て美意識が刺激される一皿や、そこに行くためにはキレイにしなきゃと思えるレストラン。キレイのモチベーションを高めるお店や料理を、フードライター歴13年の著者がご紹介。

2014.02.14(金)