世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第20回は、たかせ藍沙さんがボルネオ島で見ることに成功した、巨大なラフレシアの思い出。

ラフレシアは簡単に出会える花じゃない!

サバ州の州都コタキナバルには、大型のホテルやショッピングセンターがいくつもある。

  「ラフレシア」という植物の名前に聞き覚えがあるだろうか。世界最大の花として、テレビや雑誌などでも紹介されている。その巨大な花が咲くのはたったの1週間ほど。いつ咲くか予想がつかないため、なかなか見ることができない幻の花と呼ばれている。過去、ラフレシアの生息地で「見ることができるかしら?」と聞いて、「そりゃ、無理だよ」と一笑に付されたことが何度もあった。

コタキナバルは、海に沈む夕日が美しいことでも知られている。

 訪ねたのは、マレーシアのコタキナバル。昨年10月から成田発の直行便が再就航して、ぐっと日本に近くなった。世界で3番目に大きな島、ボルネオ島北部を占めるサバ州の州都だ。その南西にはブルネイ王国があり、南にはインドネシアの領土がある。

キナバル山。たいがいは雲がかかっているが、天気のいい早朝には山頂が姿を現すことが多い。

 そのサバ州にあるのが、標高4095.2m、東南アジア最高峰のキナバル山。周囲75400ヘクタールはキナバル公園として保護されていて、マレーシアで最初に認定された世界遺産だ。キナバル公園本部周辺には宿泊施設やビジターセンターなどの設備も整っていて、世界各地から訪れる旅行者が気軽に山登りを楽しんでいる。

 残念ながら頂上まで登る時間は取れなかったが、雲の切れ間から山頂を望むことができた。ビジターセンターなどを取材した後、近くにあるポーリン温泉に行ってみた。プールのような大きなものから家族風呂、足湯まで、大小様々なお風呂がある一大娯楽施設だ。その温泉の裏手には、ジャングルを高い位置から楽しむことができるキャノピーウォークもある。

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2014.02.11(火)
文・写真=たかせ藍沙