台湾の人々は大の鍋好き。冬場の台湾は意外なほどに肌寒く、鍋料理店は連日満席状態となります。その種類もバラエティに富んでおり、真っ赤なスープの激辛鍋から酸味の効いた白菜鍋、さらには薬膳鍋やベジタリアン鍋まで、あらゆる鍋料理が味わえます。日本で見られないものも少なくないので、グルメ探検を楽しんでみましょう。

激辛スープが若者に人気の「麻辣火鍋」

「鴛鴦鍋」は2種類の鍋を同時に味わえるのでお得感たっぷり

 若者を中心に高い人気を誇るのが「麻辣火鍋」。これは唐辛子や漢方薬材などをベースにした激辛スープの鍋です。激辛とは言っても、辛さは「大辣(激辛)」、「中辣(中辛)」、「小辣(少辛)」とレベルを選べます。また、「鴛鴦鍋」(おしどり鍋)という名の鍋も人気。これは真ん中で仕切られた鍋を用い、豚骨ベースの辛くないスープと激辛スープを同時に味わいます。これなら、辛いものが苦手な方でも好みに合わせて味わえます。

 麻辣火鍋の店は食べ放題スタイルを採用していることが多く、予算は一人400~500元(約1300~1700円)程度。面白いのはどの店もお口直しのデザートが充実していること。特にアイスクリームは常時、数種類が用意されています。中にはハーゲンダッツが食べ放題のところもあります。

 麻辣火鍋の店は市内随所に見かけますが、私のおすすめは新生北路と民権東路の交差点近くにある「第一手麻辣火鍋」。この一角は鍋屋が集まった激戦地区で、この店も二十数年の歴史を誇り、連日行列ができています。激辛鍋のほか、カレー鍋やトマト鍋、キムチ鍋などもあります。

第一手麻辣火鍋
所在地 台北市民権東路2段8号
交通 MRT中山国小駅から徒歩約2分
電話番号 +886-2-2562-3776
営業時間 17:00~翌4:00(火曜日17:00~翌2:00、土・日曜日12:00~翌4:00)
定休日 無休

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2014.01.31(金)
text & photographs:Mari Katakura