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 12月に入り、街はいよいよホリデーシーズン。クリスマスソングが流れ、イルミネーションが煌く様子に心ときめきます。

 高級ホテルは、普段から一歩入ると別世界気分を感じさせてくれる場所。自粛期間が終わった今年、華やかな気分を思いっきり味わってほしい! と、たくさん訪れるゲストのために趣向を凝らしたツリーでお出迎えの準備が万端です。

 ぜひ、写真からも特別で厳かな気分を味わってくださいね。


#08 ホテル雅叙園東京

 「ホテル雅叙園東京」は、絢爛豪華なミュージアムホテル。目黒駅から徒歩圏内にある竜宮城のように美しい場所で、婚礼に絶大な人気を誇ります。

 エントランスをメインに飾られたのは「聖夜樹 2023」と名付けられたオリジナリティあふれる和のツリーです。

 真っ白な婚礼衣装を思わせるフォルムのツリーには美しさの理由がありました。

 これは、なんと婚礼衣装のアップサイクル。実は、「ホテル雅叙園東京」はありとあらゆる婚礼のリクエストに応えるため、膨大な衣装が用意されており、その数は増えるばかり。デザインの流行の変化や経年劣化により、衣装、帯、小物など年間100点ほどが処分の対象になっています。

 その中から、6着の色打掛と白無垢をツリーのベースにあしらい、紋服や長じゅばんからひとつひとつ手作りした木目込みの手毬をオーナメントに。

 ツリー自体はいけばな草月流の師範、日向雄一郎氏によるもので、扇のように広がったフォルムは縁起のいい末広がりを表現しています。素材は「晒しほうき木」で繊細に透ける様子が見事です。

2023.12.08(金)
文=CREA編集部