ファンたちが待ち望んでいたプロジェクトがいよいよ始動

弱冠32歳のフランス料理界ホープ、ダヴィッド・トゥテン。3つ星店等を経て、独立し、パリ7区に自身の店をオープンしたばかり

 2月7日発売のCREAリニューアル新装刊号で、パリ在住の食ジャーナリスト加納雪乃さんと私の「パリの食事情」対談が掲載されますが、その中で、レストラン ダヴィッド・トゥテンをとり上げています。付録のレストランガイドでもとり上げたかったのですが、オープンが12月下旬で取材にぎりぎり間に合いませんでした。今後、コペンハーゲンのNOMAのように、世界的に注目されるレストランになることは確実。パリのホープです。

左から、通りに面したサロンと奥のコージーなサロン、エントランスサロン、メザニンへと誘う階段。厳選した素材感のある家具で、ナチュラルな雰囲気に

 トゥテンは1981年ノルマンディー地方生まれ。3つ星アストランスのパスカル・バルボなどを生んだ、ラルページュのアラン・パッサールに師事したあとは、マルク・ヴェラ、ムガリッツのセカンドをも務めたという精鋭です。パリに戻ってからは2011年アガペ・シュブスタンスのシェフになり、非常に注目されていました。ウナギ床、40平米しかない狭い店内の、中央に長いカウンターを設えており、カウンター続きの奥のキッチンでトゥテンがコース10~20皿の料理を次々に作って出していましたが、その料理としての体験は素晴らしく、パリ中のグルマンを虜にしたのです。

 1年以上前からそのシェフを辞め、次なるプロジェクトを考えているという噂を聞いて、ファンたちは、首を長くしてその新しいプロジェクトを待っていました。そしてとうとうオープンしたのが、7区アンヴァリッド広場そばのこの店。ナチュラルな素材をふんだんに使った店内で、食材の味わいを生かして遊ぶ、トゥテンのエスプリを代弁しているようです。玄関を入ったところには、オークの大テーブルが設置され、コージーなメザニンもあるなど、さまざまなシーンで食事を楽しめそう。パリにいながらにして、都会からは離れた空気をたたえているのも独特です。

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text:Aya Ito