女性ホルモンの影響や筋力の少なさから男性より女性に多い便秘。お腹がはってツライだけでなく、肌荒れやイライラの原因にもなる便秘は女性の大敵！ 健康のためにも美容のためにも、スッキリ快適なお通じを目指しましょう。
毎日お通じがあっても安心できない!?
実は「便秘」に医学的な定義はない、と小林暁子先生（小林メディカルクリニック東京 院長）。
「たとえ毎日排便があっても残便感があったり、お腹が常にはっていたり、ピンポン玉のようなコロコロとした硬い便しか出ない場合もやはり便秘だと考えた方がいいでしょう」
排卵後は腸の働きを抑制する女性ホルモン、プロゲステロンの分泌量が増え、どうしても便秘がちになる。そもそも、女性の狭い骨盤内にある腸は、子宮や卵巣などの臓器に圧迫されて物理的にも便が滞りやすくなっているのだ。
「だけど、便秘になりやすい時期だからといって仕事や家事を休むわけにはいかないですよね。だったら、そういう時には消化のいいものを食べるとか、食べる量を加減するとか、自分で考えて行動を。小さなケアでもやるかやらないかで、ずいぶん状況は変わってきます」
ダイエットや冷え症、運動不足など、30代の女性の便秘の原因は生活習慣によるものがほとんど。
便秘になると、本来排出されるべき有害物質が腸内から取り込まれ、血液にのってからだ全体に運ばれる。
「その結果、血行不良や冷え症、生理不順などの症状を引き起こすことになる。代謝も低下して肌のトラブルや肥満の原因にもなる便秘は万病のもと。一日も早く改善を」
どんなにひどい便秘でも必ず改善すると信じて
慢性的な便秘に悩んでいる人の中には、下剤など刺激の強い便秘薬を常用している人も多い。
「問題はその刺激にからだが慣れてしまうこと。からだは刺激を受けると非常事態だと思って余計に腸の動きを止めてしまうので、便秘が長引いたり、深刻化したりしやすい。常用は避けた方がいいでしょう」
便秘に深く関わってくるのが「腸内環境」だ。最近よく耳にする。
「腸は栄養や水分を吸収するだけでなく、毒素を排出したり、免疫機能を司ったりする重要な器官。その中の環境を整えることは健康にも美容にもとても大切です」
腸内環境が整ってくると、黄色っぽくバナナのような形をした便が、爽快感を伴って排泄できるようになるという。
「うちのクリニックには90歳の方も来られてますが『80年来の便秘がよくなってきた』と喜んでいらっしゃいます。だけど、どうせ改善できるなら一日でも早い方がいいですよね。どんなにひどい便秘でも必ず改善する。あきらめちゃダメですよ」
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2014.01.28(火)
text:Miho Katsuki
photographs:Hirofumi Kamaya
illustration:Yoshiko Saito
design:Chiharu Kumagai
supervision:Akiko Kobayashi
