プラハ郊外の小さな町へ

プラハ郊外の小さな町へ

チェコのりんごの木の町へ
ガラスボタンを作りに行こう

 百塔がそびえる古都プラハを離れ、美しい自然に囲まれた郊外の町へ行ってみよう。そこには、みんなを笑顔にするノスタルジックな風が流れている。

» 第1回 カレル・チャペックが愛したチェコの静かな森に行く
» 第2回 チェコを代表する絵本画家の故郷で童心に帰る

りんごの木の町へガラスボタンを作りに行こう
JABLONEC NAD NISOU

 ヤブロネツ・ナド・ニソウのシンボルは、果実を実らせたりんごの木。というのもその名前が、“ニサ川の上にあるりんごの木の村”という意味だから。古くからガラスボタン作りが盛んなこの町で、小さな工房を訪問してみた。

わずかに数軒残る奇跡のモノ作り

すべてが手作業で仕上げられるガラスボタン。色、デザインなど、組み合わせ次第でヴァリエーションは無限に広がるそう……。

 ドイツ国境にも近いヤブロネツ・ナド・ニソウの町は、はるか昔にドイツ人のガラス職人がやって来てその技術を伝えてから、ガラスボタンの製造が盛んな場所として栄えてきた。最盛期は19世紀。かつては住民の10人に1人、1万人がガラスボタン作りに携わっていたとか。

 しかし、ジッパーの発明やプラスチック製ボタンの登場によって需要は激減。昔ながらに手作りを続けているところは今や世界的にみても少なく、チェコ北部のこの地にはわずか数軒の工房だけが生き残った。

 ガラスボタン作りの朝は早い。ガラス棒を溶かし、鉄型で打ち抜き、磨き上げる……。一つひとつ丹念な手作業によって仕上げられたボタンは、この後、彩色職人の元へ運ばれる。小さなボタン1個が完成するのに約8週間もの時間を要するという。こうしたモノ作りが今も息づいているとは、まさに奇跡。こんなチェコの一面もぜひ知っておきたい。

歴史的な建築物が残る市街散策も楽しんで

 “村”といっても中心エリアはしっかりとした町の佇まいなので、散策も十分に楽しめる。水色の建物が可愛い観光案内所では、地元の名産も販売。

左:ハチミツワイン39チェコ・コルナ
右:薬用シロップはこの町の特産。

【Access】
プラハ・チェルニーモスト・バスターミナル(メトロB線Černý Most駅直結)から、急行バスで約1時間10分(ほぼ1時間間隔で運行)

<次のページ> 可憐にきらめくガラスボタンをオーダーメイド

2014.02.08(土)

橋本 篤=写真
矢野詔次郎=構成・文
クレメントゆみ子=コーディネート

※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

CREA Traveller 2014年冬号

同じテーマの記事

もっと見る

FEATURE

もっと見る

TRAVEL} 新着記事

もっと見る

  • X BRAND
  • ILTM
ページの上部へ