東フランスの名門「イルサンジェー」の味を銀座で

まるで宝石箱のようなギフトボックス。左半分にぎっしり詰め込まれているのがカカオのガナッシュだ。「イルサンジェー」のショコラは、シャルドネなどの白ワインとともに味わうのが最高

 高級ショコラを味わって、世界中のカカオの名産地へと思いを馳せるのはいかが?

 そんな風に提案するのが、フランスで113年続く名門ショコラトリー「イルサンジェー」。

 東フランスの田舎町、アルボワにある本店では、現在も4代目当主のエドゥアール・イルサンジェーが、創業当初から伝わる製法にのっとって手作りを貫いている。繊細な技によって息が吹き込まれてゆく作品は、まるで一粒一粒が生きているような輝きを放つ。

 世界でたった一つの支店となる「イルサンジェー銀座ブティック」では、フランスから空輸で取り寄せたショコラを常時40種類以上揃えている。ショーケースに並ぶショコラの姿は、まるで宝石のごとし。

 なかでも、世界中から集めたカカオ豆の微妙な違いを生かし、オリジナルの調合を行っているカカオのガナッシュには驚かされる。何しろ、当主のエドゥアールが全世界に散らばるカカオの産地に直接出向き、豆の品質をチェックしてから仕入れを行うというのだから、そのこだわりには恐れ入るしかない。

 つまり、イルサンジェーのショコラを賞味することは、舌で世界をめぐる行いなのである。

 これらのガナッシュには、つややかな肌にマジパンや金粉のアクセントが施されている。魅惑的なショコラが妍を競う中にあっても、その美しさはひと際目を引く。

<次のページ> 一粒840円! ジュエリーのごときガナッシュ

2014.01.03(金)