百塔の街・プラハの名物は尖塔だけじゃない。ここでは、個性あふれる通好みのラグジュアリーホテルがあなたを待つ。プラハでしか体験できない最高のステイを楽しもう。

» 第2回 音楽づくしのホテルにてミュージック三昧の滞在

伝説に彩られた王の隠れ家ホテル
ゴールデン・ウェル・ホテル

 プラハ城の真下に広がる南の庭園は、ツーリストの少ない穴場スポット。そんな秘めやかな庭の奥に立つ小さなラグジュアリーホテルの至極をご紹介しよう。

ホテルからバロック庭園を見下ろす。左はプラハ城の城壁だ。眺望が望めない客室が4室あるので、予約時にリクエストを。だが、眺望の代わりに広い空間仕様となっている。好みに合わせて部屋を選ぶといい

 ここは、錬金術と占星術とに傾倒した奇想の王ルドルフ2世の隠れ家。城へと抜けるお忍びの通路や様々な伝説残る、ミステリアスなホテルだ。数あるプラハのホテルの中でも、最も古都ならではのベールをまとうところといえる。

 まず、エントランスからして秘密めく。小さな広場の奥の小径は車両禁止。100メートルほどの路地を歩き、突き当たりの入り口にようやく到達する。5つの建物をつなぎ合わせたホテルは、広々としたレセプションホールやラグジュアリーなラウンジとは無縁だ。むしろ窮屈なほど狭い階段や廊下。天井とて決して高くない。が、この5ツ星ホテルの素晴らしさは、滞在するほどに明らかとなる仕組み。ゲストの期待は決して裏切られない。なぜなら、ここは王の隠れ家なのだからして。

左:ホテルのエントランスまでは石畳の小径がつづく。車両の乗り入れができないので、スタッフはゲスト到着に合わせてお出迎えというわけです
右:バロックの庭園には見事なフレスコ画もあり。ただし入園にはホテルの宿泊客といえど入園料が必要

 ホテルはプラハ城の敷地内にあるローズガーデン、バロックのレデブルク庭園に隣接している。申し分のない借景だ。夏、庭園で開かれるコンサートをBGMに過ごすこともできるし、そしてもちろん、お忍びの専用門から庭へ、城へと行くことができるのだ(残念ながら冬場はこのゲートは使えないのだが)。

レデブルク庭園から見上げたホテル。右奥の白い建物がホテル。最上階のダイニング奥のゲートから庭の最上部へと出られる

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写真=小野祐次
構成・文=大沢さつき
取材協力=マルチン・ヴァチカージュ、テレーザ・サイモン