「オカザえもん」が八丁味噌の魅力をアピール

顔に「岡」、胸に「崎」と書かれたオカザえもんは、2013年の11~12月に開催された「あいちトリエンナーレ2013」に合わせ、岡崎市から“岡崎アート広報大臣”の委嘱を受けた。

 「オカザえもん」は、愛知県岡崎市のご当地キャラ。そのキモかわぶりが評価され、2013年の「ご当地キャラ総選挙」決勝大会では全国2位に輝いた新星である。岡崎衛門之介といういかめしい本名を持つその彼が刊行したのが『オカザえもんの八丁味噌レシピ』。

 八丁味噌は、岡崎市を代表する名産品。その名の由来は、岡崎城から西へ8丁(約870m)離れた八丁村で作られたことだという。だから、本当は、岡崎で丸2年をかけて造られた豆味噌だけが「八丁味噌」と呼ばれる資格を持つ。

 しかし、味噌煮込みうどんや味噌カツなどが名古屋名物として知られていくうち、八丁味噌も名古屋発祥のように誤解されることが増えていった。今回の単行本の企画は、「岡崎が八丁味噌の発祥の地であることをもっと知ってほしい」というオカザえもんの熱い思いからスタートしたものなのである。

 本書には、インパクト抜群のオカザえもんのキモかわ太巻きずしから、定番の味噌煮込みうどん、味噌カツ、味噌おでん、そして、八丁味噌を使ったドーナツやロールケーキなど60品のレシピを紹介。さらに、12年から岡崎市の新たなご当地料理となった「岡崎まぜめん」も登場する。

 いずれのレシピでも、使用しているのは老舗「カクキュー」の八丁味噌。「こんな使い方もあったのか」と八町味噌の奥深い魅力を堪能できる一冊となっている。

 この2冊、ゆるキャラの本ではあるものの、中身は決してゆるくない。

『オカザえもんの八丁味噌レシピ』
岡崎衛門之介 著
発行 主婦の友社
定価 ¥1050
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2013.12.20(金)