「成均館スキャンダル」のグッときた名セリフ

「トキメキ☆成均館(ソンギュングァン)スキャンダル」
'10年・全20話/男装して科挙に合格したヒロインと学友たちの青春ラブストーリー。/カルチュア・パブリッシャーズ/東宝/BD-BOX1、BD-BOX2 各¥25200(ディレクターズカット版)

安部「トキメキ☆成均館(ソンギュングァン)スキャンダル(★)でユチョン扮するソンジュンがヒロインに言うセリフ「偏見を作ったのは世間だが、克服するかは君次第だ」にもグッときた。

高橋 ソンジュンの父親は政界の重鎮だから、彼には恵まれた環境で育ったがゆえの苦労があったわけです。世間の偏見を自分の力で乗り越えようとしてきたソンジュンならではの名ゼリフですよね。「成均館」は激オシ作品ですよ。男装ヒロインものって沢山ありますけど、このドラマに関しては、「学問が許されるのは男子のみ」という男装の意味がちゃんとあったのもよかったし、男装ヒロインが寄宿舎に潜り込む危険さもリアルでした。

安部 ユチョンがひざまずいて「いつも君のそばには僕がいる」と告白するシーンも萌え萌えだったな~。

高橋 私も~。同じくユチョン主演の「屋根部屋のプリンス」も好きですが、それ以上に「成均館」は繰り返し観ているかも。ボーイズ・ラブが描かれている点でも斬新でした。

安部 青春ドラマでもあるし、政治ドラマの要素もあるし。「美男ですね」よりも日本人受けしなかったのは、時代設定が難しそうだったからかな。本当に面白いので、時代背景を予習してぜひ観てほしいです。

「シークレット・ガーデン」
'10~'11年・全20話/ハ・ジウォン&ヒョンビンを巡る脇役も魅力的。“シガ廃人”と呼ばれるマニアが続出した。/NHKエンタープライズ/NHKエンタープライズ/DVD-BOX I、II 各¥19950 (C)SBS

高橋 「美男ですね」の脚本を書いたホン姉妹の作品は、大体当たるし、どれも面白く観られるんですけど、「シークレット・ガーデン(※7)を作ったシン・ウチョル監督とキム・ウンスク脚本コンビのドラマのほうが、大人の恋愛という感じがして個人的には好みだな。「シークレット・ガーデン」は、完全な四角関係じゃなくて、対照的な2組のカップルの恋愛が平行して描かれていたのもよかった。ヒロインのハ・ジウォンと魂が入れ替わる、ヒョンビンの女の子演技もかわいかった! しかも表情も仕草も話し方もハ・ジウォンにそっくりで、見事でした。

安部 私は「アイルランド(※8)の頃の初期のヒョンビンが、胸が痛くなるくらい大好きだったから、最近の軽い路線のヒョンビンとはお別れしました。ヨン様も「愛の群像(※9)までで、私の中では終わってます。

高橋 終わるのが早いよ(笑)。

安部 ヨン様は茶髪にした時点で、ダメになっちゃった(笑)。「冬ソナ」でも揺るぎなくパク・ヨンハ派です。

※7「シークレット・ガーデン」('10~'11 SBS 全20話)
出演:ハ・ジウォン、ヒョンビン、ユン・サンヒョン
貧乏なスタントウーマンと、彼女に惚れた傲慢でツンデレなデパートの御曹司の魂が入れ替わってしまい……。

※8「アイルランド」('04 MBC 全16話)
出演:イ・ナヨン、キム・ミンジュン、ヒョンビン
寡黙で心優しきボディガード(スーツ姿がカッコイイ!)を演じたヒョンビンは、視聴者のハートを鷲摑みに。

※9「愛の群像」('99 MBC 全44話)
出演:ペ・ヨンジュン、キム・ヘス、ユンソナ/「最終回は号泣必至。今のソフトなイメージとはひと味違った、無骨なペ・ヨンジュンが見られます」(安部)。

安部裕子さん(韓国エンタメライター)
『韓国テレビドラマ事典』の編・著者。執筆業を中心にコメンテーター、韓流ロケ地ツアーのアドバイザーなども。ウェブ媒体でも“じーにょ”というハンドルネームで活動中。ご贔屓俳優はソン・チャンウィ。

高橋尚子さん(エンタメライター&エディター)
韓流ブーム初期から雑誌を中心に執筆活動を展開、「朱蒙」「宮」「イルジメ」「花より男子 韓国版」などDVDのライナーノーツ、ムックや書籍の企画・監修も手掛けている。ご贔屓俳優はソ・ジソブ。

2014.01.01(水)
臼井良子=文

CREA 2014年1・2月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

運命の映画 最愛のドラマ

CREA 2014年1・2月合併号

運命の映画 最愛のドラマ

定価 670円(税込)