児玉 美穂さん
お子さん:勇太くん(4歳)、開くん(3歳)

会社名:三井不動産レジデンシャル株式会社
所属部:コンシェルジュ営業部 主査
仕事内容:個人向けマンションの営業
勤務体制:週休2日(火・水定休)

 児玉さんが育休から復帰したのは2年前。不動産のモデルルームで個人向けの営業をするだけではなく、責任者としてのマネジメントや、戦略、収益管理に至るまでの全業務をこなす主査として9:30から16:30の時短勤務で働く。しかし特に忙しい土日は定時で帰れることはまれで、時には帰宅が深夜になることも。

 職場に、時短や育休の制度は整っている。しかし時短勤務だからといって責任がなくなるわけではない。児玉さんは、どうやってパフォーマンスを発揮していくか、仕事の結果を出していくか、課題は多いと感じていた。一方で、時短勤務で子育てをしている社員を預かる長が、どのくらいその社員たちに真剣に関わっているかということは、会社の課題だとも言う。

 そこでよりよい職場環境の実現のために、日本橋本社で時短勤務をしている女性4名に自ら声をかけ、今年の春からランチミーティングを実施している。今仕事をする上でどういう問題があるか、どうやったら前向きに働けるかなどを話し合う。

 ランチミーティングをした結果、同じ制度でも部署や個人によってそれぞれ活用方法が違うことがわかった。そこで自分たちの考えをまとめ、人事部スタッフもミーティングに巻き込み、話し合いの場を設けるようになった。

「会社と対立したいわけではないんです。自分たちが働くことに対して前向きになり、会社にも私たちを戦力とみなしてもらい、相互がいい関係になるにはどうしたらいいのか一緒に考えたいのです。お互いがプラスにならなければ制度を導入する意味がないですから」

 今では、ミーティングメンバーの直属の長が「女性の働き方としてこんなものが新聞に載っていたよ」と教えてくれたり、人事部から「もっと違う考え方も提案してみたら」と言われるようになってきて、制度と運用のギャップが縮まることに手応えを感じている。

毎週金曜日のランチミーティングで得られることは多い

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2013.12.19(木)
text&photographs:HITOMINA