美食のカメラマンが教える「香港必食グルメ ベスト10」

美食のカメラマンが教える「香港必食グルメ ベスト10」

変幻自在の味に箸がとまらなくなる
第3位 火鍋

 香港に通い詰めるようになって四半世紀以上。レストランのプロデュースも手がける美食家のカメラマン菊地和男さんは香港で何を食べているのか? 今回は菊地さんの定番料理と言えるメニューのベスト10を挙げてもらった。庶民の味から高級料理まで、ありきたりのガイドブックとは違う、奥深い香港の食の世界にご案内します。

火鍋(方榮記)

 寒くなれば鍋を囲む習慣が日本にはある。香港にはそのような習慣はないが、夏でもギンギンに冷房を効かせた店で鍋を食べる。潮州コミュニティのあるエリアには火鍋の専門店があり、一年中賑わいを見せているのだ。

 ベースとなるスープは、大地魚(カレイの仲間)でとった白湯。あるいは、香辛料や漢方食材を使った辛みのあるスープも選べる。仕切りのある鍋で2色のスープというのも可能だ。

 火鍋の楽しさは、何でもアリなところ。鍋料理が確立している日本では、それぞれの鍋の具材がお決まりで出されるが、火鍋の具材は自分次第。牛、豚、鶏等の肉や内臓、魚や海老、イカ等の魚介類、ミートボールや魚のすり身だんご等の加工品、数十種類の野菜、その他キヌガサタケ等の乾物などなど、その時の気分や食欲次第で、自由に組み合わせられるのがうれしい。暴食が続いたのであれば、野菜類だけで鍋を楽しむこともできる。

 好きなものを、好みの頃合いに火を通して、醤油に辛みをきかせたつけダレでいただくのだが、ダシのきいたスープでサッと火を通した野菜のおいしいこと! このつけダレに生卵を落とせば、マイルドになったそれがまたおいしく、野菜中心だったはずが、いつの間にか大量の肉が胃袋に収まってしまったという顛末だ。ベースのスープに肉のうまみが加われば、それがさらにおいしくなり、まるで無間地獄に陥ったかのように、ひたすら食べ続けてしまうのである。

方榮記
所在地 九龍城侯王道85-87號地下

菊地和男
1950年東京生まれ。日本広告写真家協会会員。世界各国の食と文化をテーマに撮影・執筆を行うほかレストランのプロデュースにも関わる。1969年以来、香港には度々渡航。著書に『 香港うまっ!食大全』(新潮社)、『中国茶入門』(講談社)、『茶人と巡る台湾の旅』(河出書房新社)、『ダライ・ラマの般若心経』(共著/ジェネオン エンタテインメント)など多数。

2013.11.20(水)

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