前略 片付けられない女子の皆様

 空前の“片付けブーム”とも言われている今、片付けにお悩みの方は大勢いらっしゃると思います。沢山の収納についての本を買って、読んで、トライしてもすぐに“リバウンド”してしまったり、「何を捨てたら良いのかわからない」、「何をどこに置いたら正解なの?」――と、様々なお悩みをお持ちです。

 現在、私はライフスタイルオーガナイザーとして、個人のお客様のお宅へ伺い、片づけと収納についてお教えしています。「ライフオーガナイズ」とは、自分の得意や苦手に合った楽な方法を見つけることで、理想の暮らしに近づいていく整理術。思考と空間の片付け・整理をお手伝いするプロとして、CREA WEBの読者の方々へ、これから月に一度“片付けられる女子になる為のヒント”をご紹介して行きたいと思います。

まずは一つの引き出しから……。かつては開きたくても開かない状態でした

“やりっ放しのぱなしちゃん”が片付けられるようになるまで

 今では、個人に向けての収納と洋服のスタイリングを生業にしておりますが、実は私は「元・片付けられない女子」! 私の人生、さかのぼりますと幼少時代から、忘れ物・探し物が多く、“やりっ放しのぱなしちゃん”なんてあだ名がつく程でした。

 独身時代には片付けられないだけではなく、忘れ物が多い、遅刻が多いなどなど、数々の“困った事態”で冷や汗を感じていたものです。これらは、片付けが苦手な方に共通したお悩み……。しかし、独身時代は、自分が恥をかくだけで何とかなっておりました。

 どうにもならなくなったのは、結婚して子供を生んだ頃。「子供好きだからきっとうまくいくわ」と思っていた子育ては、驚く程にやる事が多く、あっという間に家の中が乱れ始めたのです。

 少しでも楽をしたいと買い集めた育児グッズ、買い物がままならないと買い集めた食材ストック、そしてどんどん増えていく子供のおもちゃや、たっくさんの衣類! 毎日毎日、繰り返される物の出し入れの際、扉の手前にあるものをよけて、扉を開けて、目当ての物を取り出すと雪崩がおこり……その雪崩にかぶりつく我が息子……。

「場の乱れは心の乱れ」

 こんな言葉通りに心までが荒み、落ち込んで行きました……。

 そんなある日、このイライラ状態に終止符を打つのは、子供でも主人でもなく、私自身では? と思い立ち、何か行動をせねば、と思いついたのが、「引き出しを片付けてみよう」ということだったのです。

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2013.10.20(日)