世界を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたままどこにも公開しなかった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第1回は、小野アムスデン道子さんが微笑みの国・タイで出会った驚きの光景。

3つの頭を持つ巨大な象が建物の上に突如出現

 信仰厚い国として知られているタイ。街のそこここに寺院や祠があり、黄色の袈裟を着たお坊さんもよく見かける。仏様、神様が身近にいることを感じさせる国だ。

 そんなタイの首都バンコクの近郊サムットプラカーンに珍しい信仰と美の殿堂があるという。バンコクから車で走ること30分、突如、見えて来たのは、雲をつくように巨大な3つの頭を持つ象だ。

高さ29m、重さ250トン、圧倒される大きさの象がなんで建物の上に?

 この巨象が鎮座するのはピンクのドーム。なぜか地元の人がお線香を立てて、建物に向かってお参りしている。

 象の足の下を通り、中に入って納得。ここには、仏教・ヒンドゥー教・キリスト教と、宗教的な美術品がこれでもかというぐらい展示されている。建物の上の象は、ヒンドゥー教の神に仕える存在なのだ。

内部の精緻な飾りは、タイの陶磁器ベンジャロン焼き、よく見るとレンゲやカップがそのまま引っ付いている

 地下・地上・天上世界と3つのパートに分かれていて、天上界にあたる最上階の薄暗い空間に浮かび上がるのは、黄金の仏像。足元には聖水も置かれ、なかなかありがたい雰囲気に満ちている。

 ここは、タイの大富豪レック・ウィリヤバン氏の私的美術コレクションを展示する博物館で“エラワン・ミュージアム”という。このレック氏、タイの美術や歴史、芸術の保護などのために私財を投じていろんなものを造っていて、そのスケールがどれもこれもすごい。

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2013.10.01(火)
text & photographs:Michiko Ono Amsden

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