日曜のみ営業、女心をくすぐるキッチュな雰囲気

 神戸では、明治元年(1868年)の開港から、外国人居留地の西側に隣接したエリアに、中国・清国の人々が居を構えました。それは、当時、清と日本が条約を結んでおらず、居留地に住めなかったため。そのエリアは決して広くはありませんが、今日では日本三大中華街のひとつ。神戸の有名な観光スポットとなっています。

エッグタルト 1個 150円 熱々をほおばりたい

 この地元の中華街を神戸っ子は、親しみを込めて「南京町(なんきんまち)」と呼びます。元町商店街と栄町通の間の一角で、中国料理店や食材店、雑貨店、屋台がぎっしり。豚饅を売る店には、いつも長い行列ができています。中国の新年を祝う「春節祭」や秋の「中秋節」などには、獅子舞や龍舞が出てにぎわい、異国情緒たっぷり。

中秋節に合わせて作られる期間限定の月餅。1個250円。「りんご月餅」は、カスタード餡とりんご餡、自家製蜜りんごとくるみ入り。「うさぎ月餅」は、カスタード餡に自家製栗の渋皮煮入り

 そんな南京町の路地で、日曜日だけ営業している小さなお店が『華華(ホァホァ)』。ビルの2階なので、入り口の階段前に置かれた看板を見逃さないように。

「日曜だけの営業です」と、長尾久美子さん(向かって左)と井田久美子さん

 オープンは2006年1月。香港と台湾が大好きという井田さんと長尾さんが2人で始めました。3カ月かけて、自分達で壁のペンキを塗り、カウンターやテーブルなどを手づくりしたのだそう。2人の愛情がこもったお店は、ドアを開けると、香港か台北の街に来たかのようなキッチュな雰囲気。

「香港と台湾の雑貨とおやつの店です」。

長尾さんと井田さんの“好き”がいっぱいつまった店内

 店内には、現地で買い付けたという雑貨がにぎやかに並んでいます。お店で使っているのと同じカップ&ソーサーやノートなどの文房具から、ポストカード、吉祥の飾り、バッグなどの小物まで、見ているだけで楽しくなるものばかり。南京町に多い、どこにでもあるような中国製品の雑貨屋や韓国雑貨のお店とは違う、独自のセレクション。「日本にはない、どこか懐かしい感じが好きなんです」と2人はにっこり。

<次のページ> 定番スイーツは女性が大好きなこの2品

2013.09.22(日)