ヨーロッパ中から王侯貴族やセレブリティを迎える
遺跡モチーフのオブジェがある屋外プールからは、パレルモ市街と海を望む
イニャツィオの時代のパレルモは、流行の発信地であり、ビジネスの中心でもあり、パリと並び称されるほどの華やかな時代を生きていた。ヨーロッパ中から集まる、王侯貴族や大事業家、セレブリティを迎え入れる、最高級ホテルとして創業したこのホテルのゲスト名簿には、イギリス国王エドワード7世とアレクサンドラ王妃夫妻、ドイツ皇帝ウィルヘルム2世などが名を連ねている。
パレルモのベル・エポックを象徴する典雅な館。栄華の記憶を留めるこのホテルでは、かつて上流階級の人々が享受したであろう、ゆったりとした優美な時間を追体験する、そんなヴァカンスを過ごしたい。
左：シー・ビューのシニア・スイートのベッドルーム。全客室が2007年にリニューアル 右：ホテルの歴史と美しい建物を愛するスタッフで運営されている
photographs:Atsushi Hashimoto
text:Sawako De Nola Iwata
