パレルモ貴族のライフスタイル博物館
パラッツォ・ミルト

ルイ16世様式で飾られた謁見室「バルダッキーノのサロン」

 アラブ時代に宅地として開発され、スペイン王国時代には、有力貴族の館がいくつも建てられた、かつての高級住宅街、旧市街カルサ地区。その一角に立つパラッツォ・ミルトは、ノルマン王家ゆかりのフィランジェリ伯爵家が所有していた館で、最後の当主マリア・コンチェッタ・ランツァ・フィランジェリが、1982年まで暮らしていた。後に、文化財保護の目的から、シチリア州に寄贈されたため、現在は、州立博物館として、一般公開されている。

左:18世紀当時の使用人の制服
右:貴族階上のプライベートフロア。最後の当主が1982年まで使用していたベッドルーム

<次のページ> 18世紀当時の間取りと装飾をそのままの状態で保存

photographs:Atsushi Hashimoto
text:Sawako De Nola Iwata