イギリスの文豪、チャールズ・ディケンズの小説「二都物語」をミュージカル化した「二都物語」で、主人公のシドニー・カートンを演じる井上芳雄。「エリザベート」での衝撃デビューから13年――。“ミュージカル界のプリンス”の異名を持つ彼が学生時代から初舞台など、これまでのキャリアをたっぷりと振り返る。

夢は「キャッツ」を演じる人になりたい!

――井上さんがミュージカル俳優を目指される、きっかけは何だったのでしょうか?

 僕は福岡出身なんですが、小学校4年生のときに、劇団四季の「キャッツ」が初めて福岡にやってきて、家族で見に行ったんです。そのとき初めてミュージカルというものに触れて、とても感動したことで、将来ミュージカル俳優になりたいと思い、勉強を始めました。最初は“「キャッツ」を演じる人になりたい!”でしたけど……(笑)。その前はコックさんやプロ野球の選手、あと保父さんになりたいとか、いろいろなりたい職業はありました。

――とはいえ、その年齢で、ミュージカル俳優になるための勉強をすることはなかなか難しいですよね?

 やはり入ってくる情報が限られていましたし、今のようにインターネットもない時代でしたから、自分で調べて、知識を増やしていくしかなかったですね。だから、劇団四季の公演を見に行ったり、父親が買ってきてくれたミュージカル映画のレーザーディスクで『ウエストサイド物語』や『サウンド・オブ・ミュージック』のような名作を見たり。あとは毎月「月刊ミュージカル」を読んだり、地元の紀伊國屋書店でいろんな本を探していました。

<次のページ> 部活や塾に行くように、レッスンに行く高校生活

2013.07.12(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Nanae Suzuki
hair&make-up:Tomio Kawabata
styling:Miho Yoshida